サガレン 梯久美子 2020年4月初版
悌氏の作品を読むのは、「狂う人」(記事はこちら) に継いで二作目。
二部に別れていて、一部は作者の実際の旅にそった紀行文。二部は宮沢賢治のサガレン(樺太・サハリンの別名、賢治が使用)への旅を再現する形で、彼が旅中に書いた作品を作者の経験を、
重ね合わせる形で深読みする。
二部が力作であるのは分かるし、手紙4の発見がひとつのエポックであることもよく分かるが、残念ながら宮沢賢治は「クラムボンはわらったよ」しか知らない(これは大好きで絵本も持っている)小生としては、それほどの感情移入は出来なかった。
むしろ鉄道オタクである作者の趣味的文章が詰まった、一部の方が紀行文として面白く読めた。
★★★