映画 そこのみにて光輝く

これもアマゾンプライムで鑑賞。高い評価を映画ブログで読んで、メモしておいた。アマゾンにあるのに気づいて、ウオッチリストに入れておいた。ドコモのプランに、ただでついてきたアマゾンプライムだが、結構活用している。


この映画は、佐藤泰志の原作だと知らずに見だして、函館が舞台+このトーンだから彼が原作だと確信したら、やはりエンドロールでその名前が出てきた。2014年公開、出演:綾野剛・池脇千鶴・菅田将暉、監督:呉美穂


そこのみにて という題は、輝いてもそれが一瞬だけだ、ということか? それとも底辺でしか輝けないということか、見終わってそんな風に振り返ってしまう、そんな暗いトーンの映画だ。


まだ新人だったころの菅田将暉の怪演 (前年に日本アカデミー賞新人俳優賞受賞) 池脇千鶴のアカデミー主演女優賞演技、綾野剛の各賞受賞演技など俳優陣が素晴らしい。池脇千鶴演じる千夏の最初の登場シーンは一気にすべての注意を引かれてしまい、綾野剛演じる達夫が一目ぼれしてしまうのも納得してしまうものがある。



<この先ネタバレあり>


最後の千夏の笑みは達夫を受け入れての笑みなのか、やさしく拒絶する笑みなのか、そしてその笑みを受けた達夫の笑みは受け入れられるのか?
そう思っているうちにエンドロールが出てきた。見事なエンディング。その先を観客に任せる素晴らしいエンディングだ。
このエンディングのためにこの映画があるような気がする。


個人的に、底辺をさまようような救いのないタイプの映画はあまり好みではないのだが、この映画は、このラストシーンゆえにか、惹かれるものがあった。


★★★★