太陽は気を失う 乙川優三郎 2015年初版

十四作の短編集
 
表題作が、東日本大震災を扱っている以外は、人生終盤期の病気や仕事の不調などの哀愁が漂う時を切り取ったもの。表紙イラストとはかなり雰囲気が異なる。
 
整った、かつクリスプな文章で描かれるその時は、悲しく美しく健気で 長く余韻を漂わせる。
 
人生終盤期の自分とほぼ同世代だと思われる人びとの切ない思いは、自分の心の横に寄り添って来る。
 
雑誌掲載作品をまとめたものだが、毎月一作品を読む分にはちょうどいいのかもしれないが、まとめて十四作品を読むと、個人的に近しすぎる話なだけに少々先行きに不安を感じてきてしまうのが、やや難点か。
 
★★★★

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