千早茜 の長編 神様の暇つぶし
 

傑作「男ともだち」 以来のディープな男女もの。
30歳以上の年齢差のある男女を描く。
この二人のキャラクターが魅力的。特に写真家の男性は男性から見ても魅力的。

作者の わるい食べもの というエッセイ集を読んでいるからかもしれないけど、たくさん出てくる食事のシーンの料理が、またとても美味しそう。

男女二人の会話が、とてもいい。
サブキャラの、美形大学生と主人公の図書館前での会話もとてもいい。名言集がたくさん。自己肯定の感じがすごくいい。これができるのが、美形がマイノリティだからという設定何だけど。

ラスト分かりやすい終わり方ではあるけれども、分かりやすくてちょっと拍子抜けの感じもある。もう少し写真家の気持ちが、ひねくれていて欲しかった思いがある。後、作品のタイトルも、なぜ?という感じ。「神様」は、キーワードだし分かるんだけど。

でも、この写真集あったら絶対買う!

千早茜の最近の作品の中では、一番だと思う。

★★★★