明け方のぼんやりとした室内に、小さく開けた小窓から強い雨の音が流れ込んできた。
今日は終日雨の予報、今は土砂降りだ。
用を足してお水を飲んで考えた。
洗濯と掃除は昨夜済ませたから、ゆっくり2度寝をしようかな?
雨の日は心地良く眠れる。
アラームをどうしようか悩んだが起きるに任せるにした。
せっかくの雨の休日、ゆっくりしよう。
ゆっくりしなきゃもったいない。
そう思って再び寝床に入ったが、なかなか眠れそうにない。
眠れない中、おもむろに考えを巡らせた。
早く起きると読書の時間がたくさん取れる。
図書館から3冊借りていて、1冊は仕事に活用したく借りた本で、じっくり読んでまとめる予定なのに全然進んでいない。
最近さぼり気味の英語の勉強もしたい。
午後からはいろいろ料理もしたい。
ということはつまり、、、
寝ているのがもったいない
早く起きなければ全てが遅くなる、有効に過ごさなければ休みがもったいない。
一体全体、一生の間に何度「もったいない」と思うのだろう。
頭の中に常にある「もったいない」。
お金のもったいなさだけではなく、時間のもったいなさも大きな問題だ。
職場の会話を思い出した。
定年した旦那は1年間は家に居たけれど、耐えられなくなって再就職した。
うちのかみさんは、家に居るとうつになると言って働いている。
趣味も数か月で飽きる。
働いているうちが花だ、お金も入ってくるし幸せだ。
働いている方がいい。
自由な時間が思う存分あるのは最高だと思うけれど、そんなものかなあ?
確かに働いていると収入は入るしやりがいはあるなあ。
5:34分、時間がもったいなので起床した。
ところで、休日に早く起きると時間に余裕があるので良い。
6時を過ぎてはダメだ。
やはり、5時台でなければ、理想は5時だ。
前の晩、ビールを飲まずに早寝をしたのも良い。
冷えたビールを飲みたかったが、早寝に徹した。
時間が経つにつれて雨足も緩んできたので、家にこもる予定を変更して図書館に行くことにした。
この調子のこの時間だと念願の図書館1番乗りができるかもしれない。
俄然やる気に満ちてワクワクだ。
朝食を済ませコーヒーを飲んで、8:48分に家を出て8:56分に図書館に到着をした。
まだ開館前、入れないだろうと思いつつ入り口に立つと、なんと開いた。
中に入るとすでにホールの椅子に先客が1人座っている。
ガックリ。
開館前の時間なのに、何時に入ったの?
とにかく、一応開館前なのでスタッフの方に断ると「大丈夫ですよ」との返答、心おきなく学習室に上がることにした。
しまった、何時から入れるのか聞けばよかった。
さて、いくら何でも学習室にはまだ誰もいないだろう。
1番乗りだ、と意気揚々と入ったら、なんと、4番手だった。
ああー
一体、何時に来てんのよ?
9時開館じゃないの?
2度ガックリ。
「1番じゃなきゃダメなんですか?2番じゃダメなんですか?」というセリフが過去にあったけれど、ごめん、ここは1番でなければダメだ。
そして、今は1番2番どころか4番だ、ダメだ。
図書館に1番乗りをしたいとずっと思っている。
だから、1番じゃなきゃダメなのだ。
とは言え、本を読みに来たのだから気を取り直して読書に励もう。
夏目漱石の「三四郎」を読んでいる。
本の感想は、私の読解力と語彙力では到底表現できないので避ける。
とりあえず、一言言うならば「引き込まれる」に尽きる。
正午近くまで読書をして買い物をして帰宅した。
ブログを書いていると娘もジムから帰ってきた。
中華そばを食べるか?と聞いたら「食べる」というので作り始めた。
作りながら、今日は図書館1番乗りかと思ったらもうすでに人が入っていた、9時からなのに9時前に人がいた、などと話すと、娘はどうでもよさげに、「別にいいんじゃないの?1番じゃなくたって」アホらしいなと言いたげな顔であっさり言った。
その言葉を聞いた時、なぜか無性に心底納得した。
確かに、が、こうも思った。
学習室に一番に入ってみたい、って思う気持ち分かんないかな?
1人で大きなガラス張りの窓の前で外を眺めたい、って思う気持ち分かんないかな?
分かんないかなー
中華そばをズーズーとすすりながら、まどうでもいいことだけど経験したいってだけだ、と心の内で終止符を打った。
昨年の年末、職場の人間関係にくさっていた頃、ゲッターズ飯田さんのYouTubeを見て心を和ませた。
斎藤一人さんのYouTubeも見た。
あなたにとって今が修行の時です
笑顔で乗り越えましょう
修行を笑顔で乗り越えたか苦痛の顔で乗り越えたか、神さまは見ています
笑顔で乗り越えなくてはダメなのです
良い言葉だなあと思って故郷の親友にそのまま送った。
親友は斎藤一人さんのことを知っていて、本も読んだことがあると言っていた。
そう言えば私もずいぶん前に本屋さんで見たことがあった。
その時に斎藤一人さんを知った。
だけど当時は自己啓発の本が好きで、心屋甚之助さんの本をよく読んでいた。
なので、斎藤一人さんの本に目が留まったが、どういう人でどういう本なのか分からないので読まなかった。
年末にYouTubeを見て、こういう話をしている方だと知ることができた。
興味は沸いたが、どうにも過去の経験から、お金がらみ?何かを販売している?何かに入会?かもしれないと警戒して、あまり見ないようにした。
けれど、その後も何かの拍子に見て、また次も何かの拍子に見て、と何度か見るうちにいつの間にか毎日見るようになっていた。
今は就寝前に見るのが日課となっている。
悟りは脚下から
悟りの為に滝に打たれるとか、インドに座禅に行くとか、悟りとはそういうものではなく、今居る場所が修行の場であり悟りの場だ。
たった一日でもいい
愚痴や不平不満、泣き言を言わず、陰口を言わない日がたった一日でもいい
その一日で次の日から人生が変わる
あなたは神さまがあなたに奇跡を起こしてあげたいと思える人ですか?
私はずっと思っていた。
愚痴や不平不満、陰口から解放されて悟りの境地に至りたい。
汚い自分の心から解放されたい。
ずっと思っていた。
だけど、愚痴も不平不満も泣き言も陰口も言わない人はいるのだろうか?
言わないでいられるのだろうか?
仕事をして大勢の中にいると無理なのでは?
だって、同じ気持ちの人ばかりではないから。
けれども、自分が発した言葉は自分の責任で誰かのせいではない。
言わされたわけではなく自分が発した言葉だ。
自分はどうありたいか、言わない勇気、覚悟を持ちたい。
反省する日もあるし、後悔する日もあるけれど、まえよりはマシになっていると思って、落ち込むのは止めにした。
言葉を正して心を正していきたい。
今は、毎日就寝前に良い話を聞いて実践するために努力をしている。
図書館1番乗りができなかった日から数日が過ぎて、またも図書館1番乗りのチャンスがやってきた。
その日も前回と同じ8:56分に到着をした。
やった、ニコニコして入り口の前に立つと開かなかった。
今日は開かないのか、残念。
向こうの入り口を見ると、子供連れの家族が大勢待っていた。
今日は土曜日だから家族連れが多そうだ。
一番乗りはあきらめた。
スタッフが来てドアを開けてくれた。
学習室に上がると、やはり先客がいた。
おお、だけど今日は3番手だ。
前回より1つ順位が上がったぞ。
性懲りもなくこだわっている。
1つ順位が上がっただけなのに、嬉しくてニヤニヤしながら窓側の席についた。
バックからパソコンの充電器を出して充電しようとしたら、あれ、パソコンの充電器はこんなに太かったっけ?
差込口に差そうとするが差さらない。
ん?どうしたんだ?
よく見ると、持ってきたのはパソコンの充電器ではなく、掃除機の充電器だった。
どうしてそんな間違いをするのか。
吹き出しそうな笑いをこらえつつ、空を眺めるとグレーだった空は青くなっている。
空の中を飛行機が飛んでいる。
ちゃっかりパソコンを充電しようとした私を尻目に模型のように小さく見える飛行機が飛んでいく。
雲は上側は白くて、下側が黒い。
なんでかなと疑問に感じてしばらく考えた。
もしかして太陽に照らされている部分は白く輝いて、下側は影のようになるのかな?
とんち者は、「三四郎」を読み始めた。
三四郎がこれからどうなるのか楽しみで早く知りたい。
何度もあきらめかけた人生は細く細く続いてきて、しっかりとした幹になろうとしている。
何故生まれたのか、何故生きるのか、答えが分かってきた。
この道は幸せの道だ、幸せの方を向いて歩いている。
死んだらあの世で神さまに聞かれるそうだ。
人生を楽しみましたか?
人に親切にしましたか?
笑顔で「はい」と答えられるように、今日も楽しんで修行に励む。
それから更に数日が過ぎた。
今日も雨の休日を過ごしている。
今度こそと昨夜から虎視眈々と準備を進めて早くから家を出る支度をしていた。
ところが、8時過ぎに娘が起きてきてバイトだと言うので、おにぎり欲しいか?と聞くと、あれば欲しいと言った。
ご飯と海苔はあっても、それを握らなければおにぎりはならないことを知ってるか?
予定を変更して簡単なおかずとおにぎりを持たせてやった。
図書館に着いたのは9時44分。
学習室に入ると8番手だった。
まあいい、今日はちゃんとパソコンの充電器を持ってきたので充電しながら本を読もう。
時折窓ガラスに雨のしずくがあたる、しばらくすると止んでいる。
見上げた空に暗雲が広がっている。
ざーとくるかな?
空はどんな空でも広くて大きい。
自然と笑みになる。
幸せだなあ。
また数日後、雨の休日、明け方は土砂降りだったけれど、昼近くには少し晴れ間が見えてきた。
空は広くて大きい。
空のように、広くて大きな心になりたい。
たわいもない話を長々と書いてしまいました。
最近、書き始めると長くなって困ります。
どうにかして短くしたいのですが考えるようにはいきません。
書き出してから、数日数週間がかかります。
没頭して書いているのではなく、書いたり書かなかったり。
気ままなものです。
書こうと気負わずに、ありのままの心情を綴っているので、とても楽ですし、とても楽しいです。
なので、書き出してからの数日数週間はおもしろい日々を送れます。
大袈裟に言えば、平凡な生活の中に入ってきた冒険のようです。
中学の頃、旅人になりたいと夢を描きました。
世界中を旅をして歩くんだ。
私は旅人になるんだ。
その時を思い出すとほろ苦さがあります。
夢はかないませんでしたが、それでも良いです。
今私は、とても幸せです。
欲を言えば、たまに旅に出たいと、それだけです。