今日を、迎えられたことに、感謝。
過去のことを振り返るブログを書いています。
ご興味のある方は読んでみてください。
(続き)
その夜、相方が実家に泊まりに来ました。
相方は、あの日、父と交わした手。
全身の力を振り絞って使っただろうことを、時々思い出しているようでした。
翌日。
父の葬儀が、ごくごく内輪の親族だけで、執り行われました。
叔父夫婦、その子供達(自分のいとこ)、叔父の兄夫婦、母の姉の息子、母の兄、父の妹の子供達、妹家族、相方…。
きっと、父が会いたかった人達…。
叔父夫婦の娘であるいとこが、母と相方と自分を迎えに来てくれました。
お寺に、続々集まる人達…。
誰もが、未だに父の死を信じられないまま…。
母は、畳に座れないため、椅子を借りて座っていました。
母は、話しかけられるたび、泣いていました。
きっと、動けないことが辛いのだろう…
いつも以上に泣き虫の母を、仕方ないと見守りました。
甥っ子が。
「じいじは?」
妹に、妹の旦那さんに、何度も尋ねました。
言葉を詰まらせる2人の代わりに…
「じいじは…遠いお空に行ったんだよ…」
自分に語りかけるように、静かに言いました。
そう…遠いお空に…
まだ幼い甥っ子に、事実を話すには、あまりにも酷すぎる……
でも……
甥っ子は、その幼い頭で、何かを感じ取ってるように見えました。
棺にお花、父の衣類などを皆で納め…
斎場へ…
収骨までは2時間もかかりませんでした。
本当に、あっという間に…
「腰の骨がだいぶ細くなっていました」
そう説明され、父の苦しんでいる様子がよみがえってきました。
すすり泣く声…
父が、いなくなってしまった…
収骨した箱と、写真などをお寺に持ち帰り、
食事会をしました。
甥っ子は何度も何度も、父のことを尋ねました。
悲しいけど、近いうちに嫌でも理解する時がくる…。
色々動いてくれた叔父が、立ち上がって挨拶をはじめました。
いつも気丈な叔父の声は次第に震え……
「…早すぎるよ…!!」
泣き出しました…
父の死…
きっと、母や自分より、叔父と叔父の兄の悲しみは深い……
父の妹、叔母が父の亡くなるほんの1年半前に、末期の卵巣ガンで亡くなりました…
自分にとっても、そのことのショックは、今でも辛い位、大きなものです。
妹と弟を失った哀しみ…
この場にいる誰もが、そのことを知っている。
叔父を、静かに見守りました。
自分は、ひとりひとりに挨拶をしながら、お酒やお茶をつぎ、まわりました。
妹は、膝が悪いと椅子に座り、残念ながら何もしようとはしませんでした。
これが、我が家の姿。
父は、どう思うかな…
ですが、思いも寄らない、穏やかな葬儀になりました。
皆、父の話をたくさんしました。
父が皆に好かれていたこと、それが心に染みました。
食事会も終わり、それぞれの帰路へ。
相方は、母と自分の2人で過ごしたほうがいいと、気遣い、先に帰りました。
そして、実家へ…
もう、父の居ない家。
腰を下ろした瞬間。
現実が、急に、一気に押し寄せてきて……
「……母ちゃん……」
「…父ちゃんが……死んじゃったよ……」
自分は……
急に身体の力が抜けて……
大声で泣いていました…
母は……うっすら涙を浮かべながら、こくんと頷きました。
……自分は……
いくつになっても、父と母の子供……
わかってしまったから…
そう…
幼い子供のように、ただ、泣き続けました…
父ちゃん、父ちゃん…
ありがとう…
ずっと、心の中に生き続けるよ……
声にならない、言葉を、ただ、父に届けたくて…