変わっていく、家族〜その74〜 | ぽんこたつ欲しいみかんの毎日気分は凸凹~生きてるからこそ~

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母の介護、父の死をきっかけに2016年にうつ病になったことから、転職を繰り返し、仕事社会から離れて今は生活保護で暮らしています。家族のこと、日常の出来事、病気やメンタル、伝えたいことや空想、情報など思うまま綴るまとまりのないブログです。

今日を、迎えられたことに、感謝。



過去のことを振り返るブログを書いています。



ご興味のある方は読んでみてください。






(続き)

月曜日の朝。

自分は散々悩みました。

仕事に行っても、両親のことばかり考えて、集中できるわけがない…

母は、ずっと自分が休んでくれると思っている…

それを、当然に思われるのが辛かった。


社会人として、それは致命傷…

状況を理解してくれている上司は、気にしないでご両親のそばに居てあげて。

そう、言ってくれました。

派遣会社は、出来るだけ出てほしいと。


派遣会社の言い分はもっとも。

だから、気持ちは向かないけれど…

何が大切かは明白。それでも…

「母ちゃん…」

自分は、正直な気持ちを吐露するように話しました。

仕事は、簡単に休めるものじゃない。

このままだと、自分は今の仕事を辞めざるを得なくなるかも知れない…そういう状況なんだよ…

母は、驚いていました。

会社って、そんなものなの?
家族が大変な時なのに…

やっぱり、休めることを当然と思っていた。

これだけは、今、話しておかなくては。

「派遣会社からも出てほしいと言われてるのを、無理言って休みをもらってるの。

…だから、わからないけど、とりあえず自分が付き添うのは今日までって思って…

妹に頼んで無理なら、また休みもらえるように相談してみるから」


「…わかったよ…」

母は、納得できない表情で返事しました。


本当は、そんなことは出来ないのはわかっている。

仕事をクビになっても仕方ないと思っている。

でも、そうやって今まで親のことで、仕事を何度も変えてきた…

それがどういうことか、これからのためにも母にわかってほしかった。


上司と、派遣会社に休みの申請連絡をして。

許可が下りなかったら…それでも…やっぱり、気持ちは決まった。


さぁ。

支度して。

今日も、父に会いに行こう。

今日という日を、一緒に過ごすために…





(続き)


派遣会社からは、上司の了承をもらえたということで、何とか許可が下りました。

こちらからもお詫びの電話をしておきますから…

申し訳ないと思いました。

色々な人に、迷惑をかけている…


母は、機嫌を直して支度をはじめました。


自分も、少しため息をつきながら…

さっきは、ちょっと母とケンカみたいになってしまった……

もうこれは仕方ない。

自分達親子に、これからずっとつきまとう問題なのだから…


病院に。

いつもように、母を車椅子に乗せ、受付をして。

父のいる、病室へ…。


今日も、暑い…

病室は、やはりエアコンを切ってありました。


「父ちゃん、おはよう」


父は…



また…様子が変わっていました。

たんがつまっているような、呼吸。

くう~ くう~ と、音をさせながら…

呼吸をするのも、とても難儀。


目はすっかり虚ろで……

もしかしたら、もう母と自分のこともわからないかも知れない…


涙が出ました。

とうとう、こんな状態になってしまった…。


「父ちゃん…」

「お父さん…」


父は、上を向いたまま…


父ちゃん…

今朝、ちょっと母ちゃんとケンカみたいになっちゃった…

ごめんね…


母もきっと、父に話しかけている。

母と2人、しばらく無言で父を見つめていました。


色々あったね。

今、何を思っている?


その目が、こちらを向いてくれるようにと、
祈りながら…


(続く)