今日を、迎えられたことに、感謝。
過去のことを振り返るブログを書いています。
ご興味のある方は読んでみてください。
(続き)
この日まで、連絡した親戚や、父の友人がお見舞いに来てくれました。
ほとんどの人が、ガンになってから会っていなかった。
だから、ショックが大きくて言葉を詰まらせ、泣く人を何人も見ました。
相方は。
5月以来、約2ヶ月ぶりに父に会いに…。
どうしても、お見舞いに来ることを強制はできなかった……
第2の父。
本当の息子のように思っていると、相方本人に話していた父。
相方にとって、父に会うことはとても勇気と覚悟の必要なことでした。
彼の父親は、何年も前に……末期の食道ガンで亡くなりました…
ガンでどんどん衰弱していく父親の姿を、何度も、ずっと見てきた相方。
今の父に会うことは、本当の父親の死とリンクされ、悲しみがよみがえってくる…。
第2の父親とは、もっとずっと、色々話したりできると思っていたのに……
そんな相方の気持ちを知っていたから……強制できなかった、どうしても…
仕事を調整してもらい、休みをもらったから…とメールがあり、複雑な思いで相方を待っていた自分…
姿を見た途端、足が勝手に彼の方へ動きました…
「よく…来てくれたね。ありがとう……」
無言で首を振りながら、自分の肩に手を置いて…。
父を。真っ直ぐに父を。
親戚の人たちは、相方と初対面。
誰?という表情で相方を見てる…
そんな皆の視線に、軽く会釈をして。
「……お父さん…… 僕です。
会いに来るのが遅くなって……すみません……」
父に、そう話し掛けました…
蒼白な表情で…
少し、ほんの少し、裏返った声で……
(続き)
相方が、父に話し掛けました。
自分は、隣で見守って…。
「…お父さん…僕です。わかりますか?」
父の虚ろな目が……
少し、大きく開いて…
相方を、真っ直ぐに、相方を捉えました。
「…ああ……」
小さく、言葉になっていないけれど、しっかりと声を発した父。
父が手を…相方に差し出して…
相方も、その手を握って……
父が、凝視するように、相方を真っ直ぐ、見つめ、頭を少し動かしながら、手を握りしめました。
こんなこと、母や自分にもなかった。
「お父さん…」
相方は、やっとそれだけ言い、父の手を握り続けていました。
静かな時間…。
みんな、呼吸を忘れてしまったかと思うくらいの、静かな時間…。
父は、どこにそんな力があったのかと思うくらい、強く、強く、相方の手を握り続けていました。
無言の会話…。
ひたすら見つめ合う、父と相方。
みんなが、ただ静かに、見守りました。
15分位、無言の会話は続きました。
やがて。
どちらともなく、手をゆっくりと離し…
父は、笑っているように見えました。
母と母の姉以外、長い間立ちっぱなしで少し疲れがみえたので、休憩スペースで休みをとることに。
父を残して…。
休憩スペースでそれぞれ座り、飲み物とともに休みました。
「お父さん、すごい力があった……」
相方は、自身の手を見つめながら、ぽつり言いました。
「何話していたの?」
「…ナイショ」
そうか。
男同士、色々話したんだね…
父ちゃんの言いたかったことはだいたい想像つくけど。
あんなに長く……
その光景は脳裏に焼き付いて離れず、父が伝えたかったことを、本当は知りたかったけど…
休みながら、久々に会った母と母の姉。
自分といとこ。
近況報告を交えつつ、父の話をしました。
再度、父のいる病室へ…
もう誰も、話しかけず、静かに父を見守っていました。
また来るから。
そう言って、親戚は先に帰りました。
入れ違いで妹家族が顔をだし、あった出来事を
報告し…
夕方、相方は自宅へ、母と自分は一緒に帰りました。
自分は、派遣会社と上司に様子を報告しました。
そうだ…
明日は、月曜日…。
(続く)