白梅よ
陽光のもと
たがために咲く
そがかを聞くはたぞ

こと、花として謂われるは近年女性のみであるのが、甚だ寂しく思う。
遠く敵地で野に討ち倒れたる、一百万の英霊は華々しく散っていった。
妻を想い、母をおもい、姉を妹を
娘を抱くことも叶わず
非業の死を畏こくも於かされましては、天皇陛下の御為と散った英霊も多い。

その上に、梅の花よ
この青空の下。
貴方は何を想いそう、麗らかに可憐に咲き誇る。
何を思わせたく、甘美なる薫りに抱く。

私は思う。
この安らかなる、少なくとも総力世界大戦の無い世の中に生まれ出づる慶びの重大さ。
私は思う。
殺し合いの少ない世の平安の秩序の重要性。

こう思ってもらいたい。
これほどまでに恵まれた人生を歩むことのできる喜びを以てしても何故競い合う、騙し合う、妬み合う、そしり合う。

白梅よ、陽光のもと、たがために咲く。
そがかを聞くはたぞ。

この麗らかなる2月を妬まず、外で梅見と洒落こんで、鬱憤を晴らすがよろし。
梅の香を聞いて、歌でも詠むがよろし。

余裕とはそではござらぬか?
そこまでみな、忙しいか?
24時間の中の大切な
365日の中の重要な
人生に一度限りの今日この日を

梅の薫りに抱かれてみても
罪には問われまい。