かど番大関貴景勝、崖っぷち7敗「自分がダメだから」気迫十分に大の里押し込むも土俵際かわされ
<大相撲名古屋場所>◇12日目◇25日◇ドルフィンズアリーナ
かど番の大関貴景勝(27=常盤山)が、いよいよ崖っぷちに追い詰められた。先場所初優勝の関脇大の里に、上手投げで敗れて5勝7敗。9度目のかど番脱出には、残り3番を全勝するしかなくなった。慢性的な首の痛みで、今年は先場所までの3場所を皆勤したことはなく、苦しい土俵の連続。在位30場所目の大関死守へ、13日目の横綱照ノ富士戦から3連勝を目指す。
敗れた土俵下で立ち尽くした。残り3日間、番付通りなら1横綱と2大関戦を残し、貴景勝が、もう1敗もできなくなった。立ち合いから気迫十分に押し込んだ。相撲内容では勝った。だが勝負に負けた。土俵際で大の里にかわされ、上手を引かれて体勢を入れ替えられた。支度部屋では「負けは負け。自分がダメだから上手を取られた」と、初日から変わらず言い訳しなかった。ついに喫した7敗目も「それが結果というだけ」と、冷静に話した。
大の里には初顔合わせだった春場所は完敗した。夏場所は2日目から休場し、対戦はなかったが、大の里が所要7場所で史上最速優勝。同場所後は「このままじゃ終われない」と力説。30場所守ってきた大関の座を、ちょんまげ力士に簡単に就かせたくない思いがにじんでいた。雪辱は果たせなかったが「その日の相撲に集中してやり切る。どんな相手にも」と闘志は消えない。諦めない男は前しか見ていない。【日刊スポーツ】