照ノ富士の痛恨2敗目は前に「出るしかなかった」八角理事長が端的に分析
報道陣の電話取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は照ノ富士の敗戦を「(照ノ富士は)出るしかなかった。流れからして落ち着けなかった」と端的に分析した。立ち合いで明生の、下から突き起こすような強烈なぶちかましにあった。右ののど輪押しも威力十分で横綱の上体がのけ反った。ここから押し負けまいと照ノ富士は不十分な体勢で前に出たが、明生は下がりながら照ノ富士の左腕を手繰る。動きを止めず、体を左に開きながら肩透かしを鮮やかに決めた。
八角理事長の「出るしかなかった」の言葉は、裏を返せば明生の立ち合いの当たり、その後も休まず攻めた内容の良さを物語るものだ。残り3日で2敗を喫した横綱について「精神的には大丈夫だと思うけど、どうなんだろうね」と推しはかりつつ「また仕切り直しということ」と切り替えの重要さを説いていた。【日刊スポーツ】
明生が照ノ富士を撃破「精いっぱいやりました。うれしかった」勝ち越し望み
立ち合いで照ノ富士にさがりをつかまれたが、腕を伸ばして必死に抵抗。引いて土俵際に呼び込む形となったが、右に動きながら肩すかしを決めた。優勝争いでトップに立つ横綱からの白星。「精いっぱいやりました。うれしかったです。強い横綱に勝てたので自信を持っていきたいと思います」と手応えを口にした。
今場所は初日から腰にテーピングを施していたが、この日はテーピングを施さずに土俵に上がった。7敗と後がなく「気合を入れました。強い気持ちを持っていきたいなと。集中しました」と痛みを考えることもなく、目の前の一番に集中。これまで意識してきた同期でもあったが「意識はない。もう横綱なので精いっぱいやりました」と胸を借りるつもりで土俵に上がり、勝ち越しへ望みをつなげた。【日刊スポーツ】
照ノ富士2敗目で三つどもえの優勝争い「面白くなった」高田川審判長が展望
立ち合いで明生の、下から突き起こすような強烈なぶちかまし。右ののど輪押しも強烈だった。これで照ノ富士の上体がのけ反る。そんな不十分な体勢ながら、ここから押し負けまいと照ノ富士は前に出たが、明生の下がりながらの肩透かしに目標を失うように土俵下に落ちた。
正面土俵で審判長を務めた高田川審判部副部長(元関脇安芸乃島)は「横綱は焦って出た。いつもは自分の形になって出るけど(この日は)前みつを取って強引に出過ぎた」と説明した。相手を組み止めたり、引っ張り込んで自分の体勢に持っていくのが照ノ富士の相撲だが、この日ばかりは焦りがあったのか、不十分ながら慌てて出てしまった印象は拭えない。「いつもと違う戦いだった」と付け加えた同審判長は、三つどもえの優勝争いになったことに「面白くなった」と残り3日を展望した。【日刊スポーツ】