幼児のお子さんの説得はなかなか骨が折れることかと思います。自我、記憶力、そして知恵もまわるようになってくれば親の矛盾を容赦なくついてきます。街中でも、論理的な説明をして諭すようにして指導されてる親御さんを見かけますが、その丁寧さと穏やかさには感心いたします。

自分の子供も例にもれず、5歳ともなれば本人の欲望を邪魔する親の教育的指導に対して、カウンターを放ってきます。そして、特に避けづらいカウンターが「お父さんもやってるじゃない!」です。これは弁解しようもありません。「子供の前では徹底して自身の習慣を変える」事ができれば良いのですが、意志弱き民の自分は微塵も遂行できませんでした。しかしながら、子供が良くないことをしている状態を野放しにしておく事はできません。そのような中で、子供のカウンターに対するカウンターとして多用しているのが、

「大人はいいんだよ」

です。人によっては、非常に安直だと思われるかと思いますが、個人的にはある意味論理的にかと思っています。このワードを使用するポイントは、「絶対的なルールが存在しない事柄」に用いています。
つまるところ、子供に伝えたいのは

「大人は人生経験を積んでいるので適切な判断ができ、過ぎたる事を行ったとしても別の部分で調整することもできる。しかし、子供はそれができないので大人が判断に介入することでリスクを最小限に留めようとしているのだよ」

ということです。これを、子供向けに濃縮した結果、「大人はいいんだよ」になりました。

例えば、おやつの量が大人の方が多いときや大人がダラダラとスマホを見ているときは、
「大人はいいんだよ。子供より体が強いから」

またあるとき、子供が親を「お前」といったときに叱ったのですが、自分が子供を「お前」と言ったときにカウンターをかまされ、
「大人はいいんだよ、『お前』という呼び方を使っていい間柄かどうかわかってるから」
と返しました。前者はまあまあまあ、という感じですが後者はよくわかりませんね、自分で発言しておきながらなんですが。

まあでも、後者の「お前」という言葉遣いを制する事については他に良い方法も浮かびません。というのも、いくら正した所でテレビや街中で聞こえてくるからです。そうなってくると、「大人は良いのだ」という、子供が絶対に越えられない壁を作り、その上で論理を構築して説明してあげるのが良いのかなと思いました。

まあ、いつも納得はしてくれないので懇懇と質問攻めに合いますが、こちらサイドのバイブスは伝わってるようですしぶしぶ従う、というケースが多いです。