「土もの」と言われている陶器類は、「目止め」をした方が良いとされています。


「目止め」は陶器の貫入や隙間に水やお茶、油が入り込まないようにするために、貫入や隙間を埋めるための作業です。




選んだのは・・唐津焼の皮鯨茶碗です。

この茶碗は、かなり水を吸いやすく、水に触れるとあっという間に貫入に水が入り込み網状になります。


まずは乾いた状態。


綺麗な皮鯨茶碗です。








ところが水に少し浸したら・・・。



大変なことになってます!助けてください!



という感じです。

凄すぎます。





乾燥した状態では288グラム





ところが、10分ほど水に浸したら298グラム


これは・・目止めしなくては。

現在は抹茶茶碗は目止めしない約束ですが、目止めします!許してください・・。
でも、昔は抹茶茶碗も目止めをしたらしいです。



ということで、一度茶碗を完全に乾燥させてから 目止め実験を開始しました。



片栗粉を小さな器に用意して水で溶かし、水を入れた鍋に溶かした片栗粉を入れてかき混ぜました。




そこに茶碗を投入。


ようし!中火でじっくりと煮るぞー!




20分ほどで泡が出てきました。


沸騰直前に火を止めて自然に冷めるのを待ちます。





一時間半ほどで冷めたので、取り出してサッと洗い、重さを計ると・・なんと!


327グラム。
ということは、乾燥した状態から39グラムも増えているではないですか!

しかも全体がつるんと滑らかな印象になっています。



よし!次は乾燥だ!

いつもは3日ほどで乾燥していましたが、目止め作業後は完全に乾燥するのに10日もかかりました。




乾燥を始めて、5日間でようやく290グラム



ここから更に2グラム落とすのに5日間かかりました。


減量は大変だ~~。

力石 徹の気持ちが少しだけ分かったような気分です。





さあ、目止めの成果確認です!

水に10分浸しました。





上部に少し水が入り込みました。




内側はこんな感じです。


目止めする前と全く違いますね。


目止め  大成功!
と自画自賛。一定の効果はたしかにありそうです。




せっかくなので、お茶をいれました。


山形県米沢市   永井屋菓子店   「大黒舞」を添えて。

古代米を使った餅菓子です。




中は、ずんだ餡です。

超美味しいです。










教訓
昔、祖母が時々  陶器を煮ていたのを思い出しました。陶器を大切に使うために目止めしていたんですね。
時間と手間ががかかりますが、陶器を大切に使い続けるために 目止めを行っていこうと思います。








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