楽茶碗や萩茶碗は吸水性が高く、使う前に水を吸わせたり使い終わったら乾燥させたりと、少々手間がかかります。

水を吸わせないで、いきなり熱湯を入れると陶器の中の隙間の空気が膨張して割れてしまいます。


久しぶりに楽茶碗を使おうかなと、楽茶碗を出して水を吸わせてみました。



茶碗は、佐々木昭楽さんの 長次郎「鉢開」の写しです。


乾燥した状態で316グラム。

これまで幾度か行った 楽や萩などいくつかの茶碗の吸水性実験では、二時間ほどで いっぱいに吸水されるようなので、今回も二時間水に浸しました。









楽焼   初代 長次郎の「鉢開」は文書に記録があるだけで、現在は行方不明の茶碗です。


記録から再現したのが、昭楽さんの写し「鉢開」です。

小さめの胴〆め黒楽茶碗としています。







二時間 水に浸したら、338グラムになりました。


小さめの茶碗なのに、22ccも水を吸いました。

思いの外、水を吸いました。






長次郎は高台まで しっかりと釉薬が掛けられています。


写し茶碗は、茶道・茶の湯の世界では評価されることの無い、日陰の器です。


でも、長次郎などは博物館や美術館に所蔵され、実際に手にする機会はほとんどありません。

写し茶碗があることで、写しを手にすると遠い昔の長次郎など昔の作に想いを馳せることができます。


写し茶碗。存在は有難いです。








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