大井戸茶碗に対して小振りの井戸型茶碗を、小井戸茶碗又は古井戸茶碗といいます。

この茶碗は大きくないので、小井戸でしょう。

井戸茶碗は高麗茶碗の一つのジャンルのようですが、井戸茶碗の定義付け、解釈には幅があるようです。

「一楽、二萩、三唐津」という茶人の和物茶碗の好みを表す言葉とともに、似た表現として「一井戸、二楽、三唐津」という言葉もあります。

他にも組み合わせはいくつかあるのかも知れませんが、どちらにしても、茶の湯、茶道では、井戸茶碗、井戸型茶碗への憧れは昔からあるようです。




この茶碗は、江戸時代中期の小井戸茶碗です。

とはいえ、江戸時代中期という確たる証明はどこにもありません。

自分の器を見る目を「信じるしかない」のです。




梅花皮(かいらぎ)は綺麗に出ていますし、形、三筋、ときん・・・全て井戸茶碗の約束通りです。

ちょっと整いすぎですね。

ここまで整いすぎると「やり過ぎ」です。時代は江戸中期よりは、さかのぼれない感じですよね




とはいえ、作陶された方は相当な技術をもった人であることは間違いありません。

いい茶碗です。

いろいろ想像をかきたてられますね。
「江戸時代は無理かなぁ・・」

しかし、なかなかの出来映えです。




久しぶりにこの茶碗で、お茶を点てていただきます。