佐賀県多久で作陶されている鳥井義信さんの絵唐津茶碗です。

唐津焼最初期に中心的窯場であった岸嶽窯が豊臣秀吉により領主が追放となると同時に廃窯となり、職人が離散しました。

この時に職人の何人かが唐津から山を越えた多久に入り、領主  多久安順に保護され開窯したのが多久唐津焼の始まりです。

多久唐津焼は、唐津周辺に何ヵ所か分散してある唐津系の窯場の中では古い窯場の一つということになります。

しかし、藩の庇護を受けていた他の窯場同様に近代になり途絶えてしまいましたが、昭和40年代に入り再興したのが鳥井義信さんです。

多久唐津茶碗の特徴は大きめで、絵が少し抽象的になり、かつ伸びやかな絵柄になります。

この茶碗は多久唐津茶碗の典型的な造りとなっています。
絵がサーと茶碗を一周するくらいに、一気に伸びやかに画かれています。

高台まわりの土みせも魅力的です。

唐津の唐津茶碗にはない伸びやかさが魅力の多久唐津茶碗です。