NATABA
ひらぽんが亡くなった。
ぽんちゃんと大阪で出会ってから一緒に沢山曲を作った。
彼の繊細な耳に私は惚れた。
私は彼の家に入り浸り
レコーディングに明け暮れた。
来る日も来る日も歌って、
レコーディングが終われば
あーでもないこーでもないと音楽をつまみに飲んだ。
マンションの下が居酒屋だったのもいけなかったな。笑
デビューシングルのカップリングには2人で作ったお気に入りの曲が選ばれた。
2枚目のシングルには2人でちゃんと作った初めての曲が選ばれた。
アルバムにも、ぽんちゃんとの曲。
私の出演したTV番組は全部録画して、FM Osakaのレギュラー番組は毎週聴いてくれてた。
私は本当に愛されていた。
NATABAと共にKanadeは育った。
Kanatabaだね、なんて文字ったりもした。
ひらぽんa.k.a NATABA
寂しいよ。
最後に一緒に作った2曲は台湾で人気のカードゲーム「Unlight」の主題歌、イメージソングだった。
この曲のレコーディングをさせて貰ったスタジオの鍵を開けてくれたのが土川さん。
仕事あるから、音だけチェックしたらすぐ出るよ。って言ってたのに
曲が流れて歌い出したら
やっぱりKanadeとのレコーディングは楽しいなぁ〜
ディレクションさせてよ。
仕事あるけど、ま、ちょっとだけ。
って言いながら結局2曲共レックが終わるまで居てくれた。
世界観いいね、ひらぽんのトラックいいじゃん。
Kanade、歌詞上手くなったね。
かつて私の歌詞のチェックしてくれてた土川さん。
初めて褒めてくれた。
ひとしきり終わって
あ、やべっ！最後までいちゃったじゃん！って
笑いながら走って行った。
それが土川さんの革ジャンのでかい背中を見た最後だった。
これ、三人の思い出の曲になっちゃったじゃん。
ひらぽんは天国で一足先に土川さんに会うだろうから、土川さんに言っといて、
らーめんばっかはダメだよって。
会長にも会ったらよろしくね。
多分その辺でワイン飲んでるはずだから。
いつかは必ず私も。
それまでね。
でも今は、
ぽんちゃん。ぽんちゃん。ぽんちゃん。
悲しいよ。寂しいよ。