32年前の今日は日曜日だった。晴れてはいたが、もっと肌寒かった。
 私は、朝9時に予約した美容院で、髪のセットと化粧をしてもらった。10時半には教会に行かねば・・・。日曜礼拝の後で、私たちは生涯を誓い合う、つまり結婚式の当日だったから。
 母が青いワンピースを着て、長い真珠のネッレスをしていた。とてもステキだった。「平服でお越し下さい」と案内を出したから、母もどのような格好で臨むべきかと、かえって悩ましたらしい。キリスト教に則ってだから、そのしきたりも分からずしまいで、気の毒なことをした。
 披露のパーティは、当時ぼつぼつ現れてきた、イタリアンレストランを貸し切ってした。その後、何年か、結婚記念日は、そこで過ごしていたが、いつの間にか、店がなくなった。「アルフィオ」という名だった。

 四年前の今日も日曜日だった。夫は56歳で、28年目の結婚記念日。ちょうど、私と人生の半分をともにしたことになる。
 「ありがとう」と言われた。

 思いもかけず、それから8日経った日、突然逝った。結婚したときのようにうんと晴れていた。まだ、夏の名残があるような、汗ばむような陽気だった。