詳細は不明だが・・・
 かかってきた覚えのない電話番号。国際電話。聞き取りにくい声が言う。

 「財布も、携帯も、一眼レフもみんな盗られた」
 「この電話は?」
 「親切なインド人が貸してくれてる」

 折り返し電話。
 「カードと携帯、即止めて」
 これが面倒で手こずる。なにせ、全部音声ガイダンス。イライラ。あ~、この手のガイダンス、急げば急ぐほど、間違えるから、何度か、かけ直すはめになる。ホント、イライラ・・・。

 手続き済ませて、再び電話。
 「今いくら持ってるの?」
 「300円」
 「パスポートと帰りのチケットは?」
 「それは、ある」

 さて、どうしたものか・・・。
 「ウエスタン・ユニオンっていう送金サービスがあるらしいからネットで調べて」

 確かに。しかし、今から登録したら、一週間もかかるらしい。ウエスタン・ユニオンに電話。直接行けば、すぐに送金できるらしい。「こちらに支店はありますか?」
 ああ、よかった。あるではないか。
 私の身分証明書と送金すべきお金を持っていけば、暗証コードが発行され、15分程度で引き出せると言う。

 寒い寒いと閉じこもっていたけれど、そんな場合じゃない。速攻で出かけて、送金完了。すぐに電話で暗証コードと送金額を伝える。息子が言った金額に上乗せしてね。きっと遠慮してるから・・・。

 帰宅して再度電話。
 「引き出せたよ。ありがとう」
 「言った額より多めに送金したけど、それで足りるの?」
 「充分過ぎる」
 なんだ、遠慮してなかったんだ・・・。
 「カメラ買うお金がないでしょ?」
 「今から安いカメラ屋に連れて行ってくれるって」

 「電話貸してくれたインド人が話したいっていうから代わるよ」
 つたない英語でお礼とともに
 「今日は、息子に豪華な食事をおごれと言ってください」

 インド人らしく「ノー、プロブレム」。
 彼もまた旅行者らしい。息子は今夜から、彼と同じホテルに移るそうだ。まあ、命もあってケガもなく、それは不幸中の幸いというもの。
 
 今はなんとかやり過ごせたけれど、帰国してからきついだろうな。
 iPhone、高いぞ。止める前に、カードでキャッシングでもされてたら。とんでもないもの買われてたら(これは確認できなかった)。一眼レフも欲しいだろうし。

 あれ? きついのは、多分息子ではなく私だな・・・。覚悟して、節約しよう。とばっちりじゃないの、これ? ま、親子なんて、そういうもんだな。