「やさしい けしき」(まど・みちお)

あちらには 山
こちらには 海
 
川が 山のたよりをあつめては
マラソンで
海へ おくりとどけ
 
雲が 海のたよりをあつめては
うたにして
山へ おくりとどけ
 
天から


星が
ほほえんで 見下ろし
 
そして なんおくまん年
とうとうある日 生まれでてきました
かずかぎりない 生きものたちが
笑いさざめきながら…
 
この やさしいけしきを
もっと やさしくするために