「夏の光」   陳 東東 (チェン・トントン)  訳/財部 鳥子


 光だって成長する一種の植物だ
 雨を濯がれ夜に入ると開く
 ぼくらの夢の場所


 光はそれぞれに香る樹のようでもある
 風を集めて
 ぼくらをその蔭に眠らせる

 
 今夜 ぼくが話すのは夏の光のこと
 雨はもう静かになって
 窓辺には一鉢の新鮮な石竹


 低い話し声がする
 サッカー見物が終わった娘たちだ 軒したで
 彼女たちは夏に両手をさしのべている


 彼女たちは騒ぐ光を撫でる 木の葉を
 撫でるように あるいは花を
 枕辺におくように


 そして彼女たちの身体も光のようである
 潤って浅黒く 真夏の静寂のなか
 ぼくらを引き寄せる