風は白くなり、街は色を脱いだ。
 見るものの、なにかが、また落とされた。そんな・・・きっと秋。

 なんたって、日暮れが早い。時候の変わり様は、心に作用する。いやだ、いやだ、いやだ。なにが?なにがなんでもいいや。「いやだ、いやだ、いやだ」とダダをこねる。相手にしてくれる人もいない。

 だから、イヤだ。いやだ、いやだ。

 
 庭は草が茂り、鬱陶しくもあるが、じきに枯れもしよう。

 蝉は名残と鳴いてはいるが、あれは私の耳の中? 海の響きと間違えて。



 真新しい人を迎える秋だ。
 そうして、見送るものもまたある、秋だ。



 そうして、そうして、ここまで来たから。
 そうして、そうして・・・。
 な・・・。