「鳥取砂丘にて」(山本太郎)


  どこへも通じない道をゆきたい
  にんげんのかなしい血の一筋を
  歯がみし歩く≪問い≫でありたい

  いま銀砂の丘にたち 
  細き蠟の手をあげ 
  永遠との距離をはかれば
  落日は燃えあがる船のごとく
  音楽はたじろぐ僕を 追撃する

  ああ 巨きな劇を 朗読するのはだれか
  瞑目の衝動をこらえ
  沖をみつめて立ちつくせば 
  雲の瀑布はたちまち僕を うちくだく

  どこへも通じない道をゆきたい
  にんげんの消えない血の一筋をこころにきざむ≪うた≫でありたい



 どこへも通じない道は、袋小路かも知れず。あるいは、どこまでもどこまでも延びている・・・道かもしれない。