秋を思わせる風が吹く。

 今年、早く来すぎた夏に、格別喜びもなかったから、逝く夏にも、ひどくあっさりしている。ほとんど閉じこもっていたから、汗をかくこともなかった。
 風が吹き抜けていった。
 時間が流れていった。
 乗るつもりのない列車をぼんやり見送るように、ただ眺めていた。

 それは、寂しいことかもしれないと
 ふっと思ってみたりもするが、
 動かないこころはどうすることもできない。

 サヨナラ
 と夏に手を振る事もなく、秋が忍び寄っている。