本日は友人夫婦と忘年会をする。献立も決まっているし、3時から支度するつもりだから、それまで暇だ。
 暇は今にはじまったことではないが、落ち着かないから精神安定にと、二度目の文章を書いている。
 掃除でもすればいいのに、したくないから仕様がない。髪も切らなきゃならないと思いながら、行きたくないから仕方ない。
 というわけで、時間つぶしで申し訳ないけれど。

 さて、では何を書こう?
 「蓬莱」のことでも書こうかな。名前の通り、中華の店。古いショッピングモールの地下にある。ショッピングモールと同じだけ古い店だ。学生の頃からあった。
 ここは、なんといっても天津飯で、昼時だけでなく、営業している間中、行列が出来ている。L型のカウンターは12、3人でいっぱい。ほとんどの人が天津飯だ。あとはなにがあるのだろう? ラーメンはあったな・・・でも食べている人を見た事ないなあ。その位、天津飯で有名な店。
 丼からこぼれる餡の量。ものすごく熱い。天津飯って、もとはそれほど好きな食べ物ではなかったが、蓬莱で開眼した・・・くらい、旨い。そういう人が多いに違いない。

 肉付きのいいごつごつしたおやじさんがやっていて、娘ふたりが手伝っていた。おやじさんの口から聞けるのは、娘さんが客の注文を繰り返した時の「あいよ」だけ。愛想は味に関係ないとばかりに。
 その上、二人の娘の仲が悪い。私なんか小心者だから、傍で見ていても、ハラハラする時がある。妹のほうが口数が少ない。口より態度で表すタイプ? 姉の方は妹の分まで補うように、あれこれとうるさい。ただし、最小の配慮はあるらしく、小声ではある。それだけに耳が立ってしまう。
 もとから気質が違うのか、始終一緒にいるからなのか。和をもって尊しとすべし・・・って学校で習わなかったのか。
 「スマイル0円」なんて、マクドナルドだったっけ。これもなんだかわざとらしいが。

 おやじさんの段取りは、なかなかだ。仲は悪いが姉妹の仕事の能率もいい。次から次へと来る客を見事にさばく。順番もまちがえることなく、きっちりきっちり、同じ姿の丼が置かれていく。

 ところが、いつだっただろう。もう1年以上も前。出かけたついでに寄ってみたら、おやじさんも例の姉妹もいなかった。店は変わらず同じ名で繁盛していたが、そろいのTシャツにタオルで頭を覆った若者たちが仕切っていた。鍋をふっていたのも、若い人。店の前には写真入でメニューを記した大きなパネルがあった。
 
 引退しちゃったんだ、きっと。
 それでも天津飯は以前と同じ味で、見事に再現されていた。

 一家は仲良くやっているのだろうか? よそごとながら気にかかる。