少年は暗い顔で立っている
レンズに目を向けず
どこか遠くでも見つめるように

少年はもうすぐ青年と呼ばれる頃合いである
少年は、青年になることを拒んでいるようでもある

細い体はとっくりセーターに
足はぴったりと張り付いたようなジーンズに包まれている

少年は暗い顔つきをしている
青年になる時が近づいているのを恐れているのだろうか

古ぼけた写真は、少年がどこにいるのかを告げることができない
少年がなにを思いながら写真に納まったのかを告げることができない

誰の手で撮られたものか
彼の表情は
歓びとは無縁の淵に佇んでいるようである

少年は、青年となる手前で重い荷物を負わされた
四角の縁取りがもう黄ばんだ一枚の写真に
少年の憂鬱がぎっしりとつまっている

彼はそれを隠しきれないまま
寂しそうな目をレンズから逸らしている
朝とも昼とも夜とも見分けのつかない薄暗さの中で
少年はもっと暗く自分自身を疎んでいる

彼の秘密を、聞く事はできない
いま彼は、青年でもなく壮年でもなく、老年でもなく
永遠の少年として口を固く閉ざしたままである