「晴耕雨読」という名の宿に泊まったことがある。屋久島でのことだ。知人が手配してくれて、宿につくまでその名を知らなかった。一目見て、なんとなく、恥ずかしさを覚えた。私はただの客に過ぎないのだが、どこかむずむずとするような気恥ずかしさ。
屋久島では、朝早くから屋久杉を見に行く客が多いので、食事がつかない宿が多い。頼めば、かわりに弁当を作ってくれる。夜も然り。弁当付きか素泊まりかだ。むろん、ホテルもあるのだが、民宿はおおむねそのようだった。
私たち(二家族・5名)はレンタカーを借りて島を廻った。レンタカーを借りるときトラブルが発生。トラブルというか、誰も免許証を持参していなかったのだ。互いに相手をあてにしたようだ。免許証がないと借り受けることができない。仕方ないから、地元の人に借りてもらい、免許不携帯のままでドライブ。「この島で、警察に止められる様なことは滅多にないから」を信じて。その点では、何事もなかったのだが、レンタカー屋で「どこか食事にいい店はない?」と聞いたのが間違いだった。
主は親切で、順路や電話番号を丁寧に教えてくれた。
「では、気が向いたら行ってみます」。
島巡りで、教わった店以外に触手の動きそうな店をいくつか発見した。とは言え、せっかく地元の人のお勧めだから・・・と、例の店に行って驚いた。店に入るや否や「○○さんご一行ですか?」「・・・そうですが・・・・」
なんと貸し切りになっているではないか。いかにこじんまりとした料理屋とは言え、わずか5名(ひとりは小学生)のために、貸し切りとは。しばし唖然。
しかも、食事のコースまですでに決められている上に、屋久島の焼酎2本、キープときている。レンタカーの主が電話で予約をしたらしい。食べきれない量の食事に、飲みきれない量の焼酎がスタンバイ。なかなかお尻が落ち着かない。もし、他の店で食事ということになっていたら、一体どうなっていたのだろう。なんとなく、奉仕の気持ちになってくる。
焼酎は、1本も飲みきれず(一升瓶)、残りの1本ともども帰りに持たされた。払った額も予算オーバー。なにせ、貸し切りなのだから。
雪が降らない屋久島に、何年かぶりに雪が降った年のこと。種子島に遊んで、屋久島に渡ったのだ。
出合った島の人たちは、みな、えらく話し好きだった。
その中で、「晴耕雨読」の主人だけが、まことに寡黙な人だった。
屋久島では、朝早くから屋久杉を見に行く客が多いので、食事がつかない宿が多い。頼めば、かわりに弁当を作ってくれる。夜も然り。弁当付きか素泊まりかだ。むろん、ホテルもあるのだが、民宿はおおむねそのようだった。
私たち(二家族・5名)はレンタカーを借りて島を廻った。レンタカーを借りるときトラブルが発生。トラブルというか、誰も免許証を持参していなかったのだ。互いに相手をあてにしたようだ。免許証がないと借り受けることができない。仕方ないから、地元の人に借りてもらい、免許不携帯のままでドライブ。「この島で、警察に止められる様なことは滅多にないから」を信じて。その点では、何事もなかったのだが、レンタカー屋で「どこか食事にいい店はない?」と聞いたのが間違いだった。
主は親切で、順路や電話番号を丁寧に教えてくれた。
「では、気が向いたら行ってみます」。
島巡りで、教わった店以外に触手の動きそうな店をいくつか発見した。とは言え、せっかく地元の人のお勧めだから・・・と、例の店に行って驚いた。店に入るや否や「○○さんご一行ですか?」「・・・そうですが・・・・」
なんと貸し切りになっているではないか。いかにこじんまりとした料理屋とは言え、わずか5名(ひとりは小学生)のために、貸し切りとは。しばし唖然。
しかも、食事のコースまですでに決められている上に、屋久島の焼酎2本、キープときている。レンタカーの主が電話で予約をしたらしい。食べきれない量の食事に、飲みきれない量の焼酎がスタンバイ。なかなかお尻が落ち着かない。もし、他の店で食事ということになっていたら、一体どうなっていたのだろう。なんとなく、奉仕の気持ちになってくる。
焼酎は、1本も飲みきれず(一升瓶)、残りの1本ともども帰りに持たされた。払った額も予算オーバー。なにせ、貸し切りなのだから。
雪が降らない屋久島に、何年かぶりに雪が降った年のこと。種子島に遊んで、屋久島に渡ったのだ。
出合った島の人たちは、みな、えらく話し好きだった。
その中で、「晴耕雨読」の主人だけが、まことに寡黙な人だった。