ふるさと

それは川か? 私に深手を負わせたあの川か?
それは山か? 小さなリュックを背負って母と登ったあの山か?
はなびらで首飾りを作ったあの桜並木か?
縁者の少なくなった、その寂しさか?


ふるさと
それは何だ?

墓参にも行けない
意気地なしの私の ふるさと
それは何だ?

十代で亡くなった同級生
三十を目前に自死した友

帰るたび、
私から 遠のいていく町
泣きじゃくり、泣きじゃくりしながら
歩いた道


父の病室から眺めた
鈍色の空、木枯らしに舞う落葉


ふるさとに
今年は格別早い冬が来ると言う