ううう~
 体が重い。
 眠りすぎて、眠い。

 涼しくなりかけていたのに暑さがもどって、体がおいつかない。
 少々バテ気味。

 
 酸味の強いコーヒーが好きだ。すっきりした後味が残るような。むろん香りは重要だ。
 コーヒーに凝ってはいないが、凝る気になれば凝れそうな気がするもののひとつ。
 トラジャやマンデリンは苦手。砂糖とミルクなしで飲むから濃すぎるのだ。コナもストロング。きっとブレンドすればいいんだろうが、コナはまた高いしな。
 
 ベトナムでのコーヒーも相当きつかったが(1と月以上胃薬のお世話になった)、アラブのコーヒーは、背筋がゾクッとなるほど濃かった。泥水みたい。お店の若い女性に、「これ飲んでるの?」と聞くと、イヤそうな顔で「ノー」と返事。中年の男性諸氏は好みのようだったけど。

 コーヒーの名前はいい。キリマンジェロ、モカ、グアテマラ、ブラジル、コロンビア、サントス、マンデリン、ジャワ、コスタリカ・・・国の名前や港の名前がついているのが多い。夢想家としては、夢見心地の名前なのだ。

 ところが一方、コーヒー農家の惨状は世界的に問題視されるほど過酷である。ベトナムが一気に生産量を増加させた(主に缶コーヒー用)ことも市場のバランスに打撃を与えたし、コーヒーの需要が伸び悩んでいるということもある。それでも全世界で1日20億杯飲まれるというコーヒー。
 豆の価格は下落し、生産コスト以下でコーヒー豆を売ることすら余儀なくされる小規模農家に比べ、ネスレ社などの焙煎業者はしっかりと利益確保する。1杯330円のコーヒーから生産者が手にする金額は3~9円というデータもある。関係ないが、ブルーマウンテンは日本人御用達らしい。
 
 夢見ごこちと裏腹に、コーヒー業界のからくりは悪夢のようだ。


 私の朝のコーヒーは、誰に利をもたらせているのか・・・、そんなことがチラリと頭をよぎりながらも、朝にコーヒーは欠かせない。複雑な飲料である。
 
 そういえば、インド人のチャイ好きは、イギリス人による宣伝効果の産物らしい。20世紀初頭まで、インド人の大半は紅茶のいれかたも知らず、当然、紅茶を飲む習慣もなかった。イギリス人所有のインド紅茶協会の大規模な宣伝キャンペーンがインド人にミルクティーを伝えていった。
 ヴァスコ・ダ・ガマによってポルトガルから持ち込まれた唐辛子に、ムガール帝国の侵略。東と西の融合として産まれたインドカレー。

 世界は絡み合っている。

 
 コスモスの野で、秋の風に吹かれていたい・・・。