『ファーストフードが世界を食いつくす』 エリック・シュローサー 楡井浩一訳/草思社/2001
ハンバーガーショップに、一人の人間が、残業用のハンバーガーを買いに行かされ、「ハンバーガー20コ」と注文したら「お持ち帰りですか?こちらでお召し上がりですか?」と聞かれたという笑い話。徹底した「マニュアル管理」の笑える実体だ。「拡大と成長をつづけるファストフード産業。その成功を可能にしたマクドナルド方式が、いまアメリカで経済、社会、文化の荒廃をもったらせているという。
香料まみれのハンバーガーやフライドポテトで味と匂いを刷り込まれる子供たち。フランチャイズによって起業家がつぶされ、専属契約で、農地や牧場も荒廃に追い込まれているのだ。
日本とて例外ではない。いまや世界中で産業構造の崩壊が進んでいる。本書は、牧場の牛が肉となり、ハンバーガーとして市場に出るまでに仕掛けられた巧妙な戦略を精査することで、自由市場経済を悪用し肥大するファストフード界の実体を暴き出す。
経済、社会の根幹を揺るがし、国家の動向まで左右する巨大産業の暗部を、緻密な取材と圧倒的筆力で描き出す」。(扉書きより)
本書は新聞記者である著者の初の著作である。原題は「FAST FOOD NATION」。
ファストフードは食の安全性という側面ばかりが取り上げられがちであるが、その実体はアグリビジネスの寡占化、低賃金等労働環境の劣悪さなどの狡猾な経営手法から、グローバリゼーションの問題にまで発展していくものである。
背筋が寒くなるような読み物である。
ファストフードは食の安全性という側面ばかりが取り上げられがちであるが、その実体はアグリビジネスの寡占化、低賃金等労働環境の劣悪さなどの狡猾な経営手法から、グローバリゼーションの問題にまで発展していくものである。
背筋が寒くなるような読み物である。
『マクドナルド化の世界』ジョージ リッツア 正岡 寛司 監訳/早稲田大学出版部/2001
「マクドナルド化(McDonaldization)」とはこの世界最大のファーストフード・レストラン・チェーンに見られる合理化の過程を指す。本書の目的は、マクドナルドを論じることではなく、枠組みとしてのマクドナルド化を主題化することである。著者は社会学者という立場から、ディズニーワールドやクレジットカードなどの新しい消費手段とマクドナルド化の関係を分析している。これに先行して『マクドナルド化する社会』がある。
上記とともに読むと、マクドナルドを祖とするファスト・フードチェーン方式とグローバリゼーションとの関連性がより見えてくる。