まず、最初に誤解のないように・・、「私は音楽にまるで詳しくない」むしろ「疎い」。断言する。
 学生時代、それでもジャズ喫茶に行ったり、レコードを買ったりしたこともある。ジャズはモダンジャズで、インスツルメント、「歌」なしが好きだ。
 呉々も、知らないのだ、という前提で読んで欲しい。何度聞いても、誰の何という曲かも覚えられないのだから。

 大学の頃、チック・コリアの「リターン・トゥ・フォーエヴァー」を買って、「これはモダンジャズの終焉だ」とジャズ好きの先輩にコテンコテンにやっつけられた。カモメの飛ぶジャケットがきれいだったから・・に過ぎなかったけど。「メロウ」という名の、わずかの期間、中学校の同級生だった人が働いていた店で買った。

 クリスマスにプレゼントされたキース・ジャレットの「ケルン・コンサート」は、かつても今も好きだ。随分経ってだがCDも買った。
 誕生日にもらった笠井紀美子のレコードジャケットは、なんともセクシーだった。
 歌なしが好きと言いつつ、『ジャズ倶楽部』ではよく、ロバータ・フラックの「優しく歌って」をリクエストした。(あれって、ネスカフェのテーマ曲になったけど・・・今も?)
 疲れきっていた頃、ビル・エバンスのCDを手渡されたことがある。心地よかった。

 植草甚一のコラムなどを読んでいたけれど、あれはなんの雑誌だったろう? 宝島かな? 今の「宝島」とは別世界の「宝島」。晶文社からは随分と植草甚一の本が出ていたはずだ。なにを読んだか定かではないが、アメリカに行くと、大変な量の本を買い込んでは船荷で送る、請求書を受け取った奥さんが腰を抜かすほどの金額だったという。そんなことが何度も繰り返され、蔵書は小さな町の図書館以上にもなったらしい。
 
 なぜか、植草甚一と俳優の殿山泰司が私の中ではゴチャゴチャになる。
 寄り道になるが、中山千夏や矢崎泰久が創った「話の特集」という雑誌があったが、花柳幻舟、永六輔、殿山泰司らが寄稿していたように思う。過激度がよかった。ついでに「ビックリハウス」もおもしろかった。二代目編集長の高橋章子のぶっとび具合も。あれってパルコ出版だったんだなあ。
 最近は買うこともなかったけれど、「ダ・カーポ」もついに休刊?廃刊?。
 「おたく系」は健在というか、不動の?商業的地位を獲得したけれど、いわゆる「サブカルチャー」ものって、なくなったのかなあ。サブがないなら、メインもないの? 

 閑話休題。
 家電品店のポイントが微妙に溜まったので、街に出たついでに、適当に「ボサノバ」のCDと交換してもらった。ポルトガル語だかスペイン語だか知らないが、あの「ブツブツ」、つぶやき感がおもしろい。むろん、なに言ってるのか分からないし、歌詞を知ろうという気もなく、ただ聞くままに聞いていると、つい笑いたくなる。テレビをつけて・・ドラマでもニュースでもいいけれど、音を消して、ボサノバを通常のテレビの音量程度で流すと、これまたおかしい。

 以前、ベトナム(ホーチミン)に行ったとき、空港の大画面のスクリーンで映画(洋画)をやっていた。ベトナム語の吹き替え版だったが、ひとりの男性が、すべての出演者(女性も含めて)の吹き替えをしていた。あれには、驚いた。