久しぶりに新しい本を読んだ。
辺見 庸「たんば色の覚書」(毎日新聞社)。
2005年の脳梗塞に続いて、癌を患いながらの2007年の書き下ろし。
強靱な精神力には脱帽である。
昨日、ちょうど、石原吉郎の詩集を読んでいるところに届いたのだが、奇しくも石原吉郎について多くが割かれていた。
氏の文章には、もう少しシンプルな表現にしてほしいという思いもあるのだが、それはさておき、孤として考えるという姿勢の貫きかた、言説の変節のなさに変わりはない。
たんば色は、青の属であるらしい。「青ざめた顔」の青。
雨は結局一日中、シトシトと降り続いた。
7月8日、午後4時22分。特に変哲もない一日の、意味のない時刻の記録。