虫眼鏡で光の束を集め
初めて科学したあの頃を
今でも唐突に思い出す
若かった母や幼かった弟や
川辺に芽ぶいていたネコヤナギとともに



葉っぱたちは繁り
新しい季節は新しい花を咲かせた
取り残された者は
懐かしい声をさがして
じっと耳を澄ましている


意味を求めてもかなわず
病んでゆくこともかなわず
傲慢なやつめ
お前は救いようのない
無力な生き物ではないか