●百万年も 死なない 猫 がいました。百万回も死んで、百万回も生きたのです。絵本、佐野洋子作『100万回生きたねこ』は、16年も前に出版され話題を呼びましたが、未だ増刷を重ねています。
●ある時は、王様に可愛がられた猫として生き、ある時は船乗りに、ある時は泥棒の猫、ある時はサーカスの舞台に上がる猫として生き、百万回も生まれては、百万回も死にました。
●後半、猫は誰の猫でもない時、初めて自分の猫になった時、どんな雌猫も猫のお嫁さんになりたがります。魚やまたたびをプレゼントする猫もいます。そんな中、見向きもしない白い美しい猫がいました。「俺は、百万回も生きたんだぜ」と囁きます。白い猫は「そう」と言ったきりで関心を示しません。「俺、サーカスの猫だったこともあるんだぜ」「そう」「俺は百万回も・・・」と言いかけて、「そばにいてもいいかい」と尋ねます。
●猫は、何度も生まれ変わり、王様の猫になったり、泥棒の猫になったりして学んでいきます。そして、その体験の延長線上に、白い猫との出合いがあり、大きな気づきが与えられます。百万回も生まれ変わることで、真実に気づきます。ですから、過去の一つ一つの場面は、断片ではなく全体ということで、総て意味があり、肯定できるものですし、善そのものです。
●猫は、持っていた総ての過去の誇りや執着を捨てきることにより、幸せになります。
●私も、今の現実を鏡として、必死で学ばせていただいています。(1993/1/22)