見るともなくテレビをつけると、えらく「ビール」のCMが多いと気付いた。
 私には区別がわからないのだけど、発泡酒とか第3のビール第4のビールとか、カテゴリーが増えて次々新商品が出るにつれ、当然CMも増えた。商品の良し悪しは分からないが、CMはどんどんつまらなくなった。
 ただ賑やかで、うるさいだけのものが多く、丁寧な仕事(CM)がされているとは言い難い。

 ビールのCMで印象的なのは、まず、「男は黙ってサッポロビール」。当時は中学生だから酒など飲まないが、父親がえらく気に入っていた。
 同じ頃に、仲谷昇・岸田今日子で「どういうわけかキリンです」というのもあった。こちらは、男らしさ路線でなく、ほんわか路線。
 
 おとなになって酒を飲むようになってからは、ずっとキリン。あの苦さが好きだった。シェアもダントツだったし。
 それを方向転換させたのがアサヒの「スーパードライ」。ネーミングの勝利とも言われたが、CMに落合信彦が登場したときは、いや~すごいなあとほとほと感心したものだ。

 広告は虚構の最たる世界である。胸に響こうが、言葉こそが力などと持ち上げられようが、所詮、打ち上げ花火である。差異だの個性だのと並べ立てながら、ただ時代を消費していくだけだ。
 そんなこと、今では誰もが百も承知。
 では、CMを単なる情報と考えればいいようなものだけれど、楽しくなければつまらない。

 昔は下手な番組より合間のCMのほうがよっぽど素晴らしいというのも数あったけどなあ。

 夫は結婚当初、しばらくの間、広告コピーを書いていた。
 「私もコピーを書きたい」(わずかの間だが、私も経験があった)というと、広告屋は一家にひとりで充分、と却下された。
 言われた私は・・・? 素直に納得した。