左の手のひらには

一枚の麻布を乗せて、

右手には

木綿糸を通した針を持ち、

両手で包み込むようにして

ひとつの作品をつくっています。

 

 

つくっている時は、

さまざまなことを考えます。

 

 

お渡しする方のことはもちろん、

その方のイメージで描いた図案のデザインや

糸の色の組み合わせに対して、

“こうするともっと良くなるかも!”

とアイデアがぽこぽこ浮かんできます。

 

 

Excel上で図案を見ている時には

見えていなかったことが、

布の上では見えてくる。

糸が教えてくれるような気がしています。

そこがとても不思議で面白いところです。

 

 

今日はいよいよ仕立ての日でした。

一枚の麻布が、

表布、裏布、口布と縫い合わさり、

ひとつの作品へと姿を変えました。

 

 

こうして写真に写してみると、

はじまりは私の中に浮かんだ

小さなイメージだったんだと思うと、

不思議な感動が胸いっぱいに広がります。

 

 

言葉ではうまく表現できないほどの、

小さくて淡い朝靄のようなイメージ。

それをぽちぽちとExcel上で視覚化していき、

ピンときた布の色、

糸の色の組み合わせを考え、

実際に布に刺していく…

 

 

刺している最中に浮かんだアイデアを

さらに図案に反映させて、

再び、布に模様を刺し、

完成したら(納得できたら)

色のバランスを見ながら

口布や裏布の色を決め、

ようやく仕立てに取り掛かります。

 

 

数週間、数ヶ月とかかることもありますが、

(他の仕事も同時進行のため)

頭の片隅にはいつも作品のことがあります。

そうしてようやく完成した作品は、

本当に自分のこどものように愛しく思えてきます。

 

 

誰がなんと言おうとうちの子は可愛い!

そう思ってしまいます(笑)

 

 

前にもブログに書いた記憶がありますが、

オリジナルの図案を描き始めたことで、

どうやらその面白さを知ってしまったようです。

 

 

もちろん素朴で優しくてあたたかく、

刺していると心がほっこりする

古典的なモドコ(模様)も大好きなのですが、

それとはまた別の意味で

オリジナル図案を刺すことには

特別な面白さがあります。

 

 

世界にひとつだけ。

私の手からうまれるもの。

今年はもう少し大きな作品にも

チャレンジしていきたいと考えています。