今週末は学校の文化祭などがあり、長女も忙しそうです。
次女と三女は少々風邪気味ですが、長女は通常運転。
忙しいほうがハリがあって元気になるのでしょうか。
みなさんはどんな1週間を過ごされましたか?
今週印象に残った1冊を紹介します。
宮本 紀子さんの『始末屋』です。
吉原で、客から借金を取り立てる始末屋「だるま屋」で働く直次郎は、花魁・真鶴から依頼を受ける。妹分、花菊の首を絞めて逃げた男を探し出し、百両を取り立てて欲しい、と言うのだが。
吉原で妹のしのを亡くし、それから心を閉ざし情け容赦なく借金の取り立てをしてきた直次郎ですが、真鶴の依頼を受けてから少しずつ様子が変わってきます。取り立てた男の子どもの様子を気にしたり、離れかけた花魁と男の間を繋いでやったり、他人の気持ちを思いやるような様子がでてきたのです。
そんな直次郎の様子を、嬉しくももどかしい思いで見つめているのが、「だるま屋」の一人娘、お蝶です。お蝶は直次郎に思いを寄せ、何かと気にかけているので、直次郎が他人に心を開いてきた嬉しさと、それが真鶴のせいであることに嫉妬を感じ、その心は
千々に乱れます。
そんなお蝶に惚れているのは、同じだるま屋で働く、直次郎の兄貴分である伊八。取り立てに失敗すればだるま屋自体が存続の危機に見舞われるという、真鶴の依頼も気に食わず、直次郎には何かと突っかかる伊八。しかし、直次郎が人に目を向けはじめる変化を感じたり、その過去を耳にしてから取り立てに協力することを決意します。
こうして直次郎と伊八が協力して、花菊を傷つけた男を追い詰めていくのですが、花菊の様子がなんだかおかしいのです。その姿は、直次郎に、亡くなったしのが語った恋心を思い出させます。
閉ざされた吉原の世界で、色を売る女たち。客と恋仲になることもあるでしょう。しかし、好きになったからといって、すぐに一緒になれるわけではありません。膨大な揚げ代を払える男性でなければ、吉原から女を連れ出すことはできないのです。
運良く出れたとしても、吉原で幼い頃から育った女たちは江戸の町の様子や常識を知りませんし、周囲から「女郎あがり」と指さされることもあります。一見華やかに見える吉原の世界は、金にがんじがらめに縛られ、身動きできない女たちがひしめきあっているのです。
そんな女たちが羽ばたけるのは、好きな男性と共に過ごす時間なのかもしれません。吉原の世界で生きていくことも、出ていくことも命がけ。吉原に来る客も、借金の取り立ても、みな生きている証を得るために、仕事をし、愛する人を守っていこうとしているのでは
ないでしょうか。
彼らの、熱い息遣いと鼓動が聞こえてくるような吉原の物語です。
〈今週 読了した本〉
『疾風ガール』
『雨宿り』
『あきない世傳 金と銀(七) 碧流篇』
『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』
〈現在 読書中の本>
『幹事のアッコちゃん』
〈今週購入した本〉
『幹事のアッコちゃん』
『私が失敗した理由は』
『おやすみ、東京』
『秋山善吉工務店』
『その愛の程度』
『一善めし屋丸久』
『望月のうさぎ 江戸菓子舗照月堂』
『桃山ビート・トライブ』
読書人が集う『シミルボン』にて、インタビュー記事掲載!
https://shimirubon.jp/columns/1691046
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ジワジワと追い詰められる恐怖感!一気読み必至のサスペンスミステリー
生き残りをかけた戦いに挑むものたち。その戦いと生き様が胸を打つ本
始末屋 (光文社時代小説文庫)

