卒業の季節でしたね。
感謝と別れ、成長の喜びと、多くの思いが駆け巡る1か月でした。
来月から新しい環境がスタートする娘たち。
楽しんで学校に行ってくれるといいなあ。
皆さんにとってはどんな1か月でしたか?
今月、印象に残った一冊をご紹介します。
鏑木 蓮さんの『甘い罠』です。
ヘタなタレントよりも美しい容姿を持つ料理研究家の水谷有明は、和食レストランチェーンのメニュー監修を依頼された。糖質制限食を中心にしようとしたところ、社長と意見が真っ向から対立。さらに有明の料理研究家としての進退をかけて、かつての師匠と対決することに。有明の料理研究家としての未来、そして日本人の主食でもある糖質の未来はどうなるのか。
糖尿病になってしまった父親が、糖質制限食によりめざましい
体調改善が得られたことで、糖質についてよく調べ、健康のためにも糖質制限がベスト、と考えた有明。しかし、有名大型スーパーマーケットを運営し、和食レストランを全国展開しているグローバル企業の社長、城田はこの糖質制限メニューに反対します。
契約農家の数を増やし、地産地消ビジネスモデルを構築しようとするなど、農産物を生産する農家を応援する気持ちを強く持つ社長にとって、メインの米の使用を控えるようなメニューはとても受け入れられないというのです。
社長の主張はごもっとも…とは思うのですが、契約農家との契約内容はどうなっているのかなあとちょっと気になります。企業パンフのようにきれいな言葉が並べられているのですが、天候によって生産量や質に変化がどうしても出てしまう農産物。
価格の安定性が保証されているのか、無理のない条件なのか。相手も商売ですし、綺麗事ばかりも言っていられないでしょうから、そのあたりが少しでも触れてくれると良かったかも。社長が出来過ぎ君でちょっと気に入らないので(笑)。
さて、見た目で人気が出てビジュアル的な扱いを受けてきた料理研究家、有明ですが、この和食メニューの監修が成功すれば、
料理研究家としての力も、世間に認められるはず、と気合も充分。メニューを考える有明が出会ったのは、父親の糖尿病を改善させた糖質制限食でした。
現代人の食生活にマッチしていて、しかもヘルシー。こうして提案した糖質制限食ですが、社長の意向にそぐわず、そして社長を説得することもできませんでした。
それでも社長は、有明にチャンスを与えます。それは、有明の師匠と料理対決をすること。有明は、その勝負に勝てば採用、負ければ契約解除ということになり…。
世の中の糖質制限ブームに待ったをかける物語です。
たしかにダイエットや体質改善に効果のある糖質制限食。だからと言って、日本人の主食である米を「悪」と言っていいものか。お話の中でも、栄養や体調面にフォーカスしていたり、日本という文化面精神的な面にフォーカスされていたりと、ちょっと論点があちこち動いている感じもしますが、ま、日本人としては米なしでは生きてはいけないのかな〜という感想です。
作物を作ってくれる人がいて、それを口に入れる。感謝と喜びを持って、大事に食す。
料理研究家であろうと、大手企業の社長であろうと、一般消費者であろうと、その事を心に入れて毎日の食をいただく。
それが大切なのだという事を教えてくれる物語です。
今月のレビュー結果
今月イラストレビューした本
26冊
ブログをはじめてからイラストレビューした本累計
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読書人が集う『シミルボン』にて、インタビュー記事掲載!
https://shimirubon.jp/columns/1691046
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