だんだんと春めいてきましたね。
近所の鉢植えに植えてあった桜の花が満開で
一足早くお花見気分を味わいました。
みなさんはどんな1週間を過ごされましたか?
今週印象に残った1冊を紹介します。
一條 次郎さんの『レプリカたちの夜』です。
動物レプリカ工場の中で、動いているシロクマを発見した往本。
そのシロクマは絶滅したはずの本物か、それとも産業スパイ
なのか。工場長からシロクマを見つけ出し、殺せと命じられた往本は、同僚で女好きの粒本や、資材部の女性、うみみずと共に、
シロクマについて調べはじめる。
この世界では、動物はほぼ絶滅しています。そこで、往本が働いているようなレプリカ工場では、そうしたレプリカを作り、イベント
などで使用されたりしています。
ある夜、工場で動くシロクマを見つけた往本は、工場長から、
スパイかもしれないから、見つけて殺すようにと命じられます。
殺せと言われても困る、という往本の訴えは全く聞き入れられません。会話の一方通行具合に、ざわざわとした不安を感じます。
不安を感じるのはそれだけではありません。同僚の粒本の妻だ、という女が往本の家に押し入ってきたり、自分は人工知能であると主張する若い女性に、見知らぬ家に連れ込まれたり、うみみず
さんがシロクマに襲われそうになったり。
起こる出来事も奇妙なものばかりなのですが、往本の記憶がたびたび失われるのです。失われるばかりでなく、全く身に覚えのないことまでやっていたようで、会社のほかの人から言われて、首を
ひねる、といった具合です。
挙げ句の果てには、工場長から殺せ、と言われたシロクマが自分の上司になると発表されたりして。 非現実的な出来事、記憶の断絶。夢と現実を行ったり来たりしながらも、意識とは何なのだ、
自分が自分であるとなぜそう言えるのだ、と問いかけられている
ようです。
絶対条件で存在している世界などない。
そもそも自我なんて存在するのか。
知的生命体というが何を持って「知的」とするのか。
読むほどに、この世界の、自分自身の不安定さを強く感じると同時に、決めつけられるもの、絶対的なものなど何もないのではないか、と思えてきます。
自分が見ているものは本物なのか。そもそも本物とはなんなのだ。そんなことを考えてしまう物語です。
〈今週 読了した本〉
『蒼穹の昴4』
『うつせみ屋奇譚 妖しのお宿と消えた浮世絵』
『ママは何でも知っている』
『シュークリーム・パニック』
『地面師』
『陽気なギャングは三つ数えろ』
〈現在 読書中の本>
『一冊三分で読めて、99%忘れない読書術 瞬読 』
『偉人たちの館』
〈今週購入した本〉
なし
読書人が集う『シミルボン』にて、インタビュー記事掲載!
https://shimirubon.jp/columns/1691046
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ジワジワと追い詰められる恐怖感!一気読み必至のサスペンスミステリー
生き残りをかけた戦いに挑むものたち。その戦いと生き様が胸を打つ本
レプリカたちの夜 (新潮文庫)

