2018年ももう終わりですね。
ブログをはじめてから2年半、1週間に6冊のペースで
イラストレビューを続け、今月末で累計707冊となりました。
2019年末には1000冊になるので今から自分へのお祝いを
考えておきます(笑)。
2018年はツイッターも利用するようになり、作家さんとつながったり、皆さんが読んでいる本の傾向を知ったり、おススメの本を
教えていただいたり、またこちらもお知らせしたりと、新しい
世界が広がったように感じます。
2019年も、なるべく幅広く、いろんなジャンルに手を出し
分かりやすく、読みやすく、本に興味を持ってもらえるような
レビューを書いていきたいと思っています。
ブログを読んでいただいた皆様、ありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
皆さんにとってはどんな1年でしたか?
今月、印象に残った一冊をご紹介します。
隙名ことさんの『「私が笑ったら、死にますから」と、水品さんは
言ったんだ。』です。
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地味で目立たない男子高校生、駒田の隣の席は病弱で、学校を休みがちな美少女、水品さん。そんな水品さんが、ある日駒田に声をかけてきた。「15分で一万円のバイトに興味はありませんか?」あやしげなバイトの真の目的と、水品さんが決して笑わない理由とは。
クールな美少女、水品さんが駒田に持ちかけてきたバイトとは、
駅の売店で雑誌を買い、支持された電車の席に座ってその雑誌を読むというもの。ぴったり15分で指示された内容は終了し、意味の分からぬままに一万円を手にした駒田。考えるうちに、この行動の意味に思い当たり、それを水品さんに伝えた駒田は…。
学校にはあまり来ることがなく無口で笑わない、クールな美人の水品さん。口調は堅い、愛想なし。でも不意打ちをかけられると動揺する姿が可愛かったりします。
対する駒田は地味。自己主張するでもなく、友だちがたくさんいるでもなく。勉強も運動もごくごく普通の目立たない存在です。そんな駒田だからこそ、水品さんに目をつけられたわけです。水品さんと、謎の美女、ホイミが手がける仕事での活動は目立たないことが必須なのです。
軽快な駒田の語り口調で、美少女水品さんに振り回される様子がユーモアたっぷりに描かれています。しかし、実は駒田も、水品
さんも、ホイミもそれぞれに心に傷を負っています。表向きの
キャラからは、思いもよらぬような出来事を経験している三人は、他人の幸せのために力を尽くしていくのです。
冷たい仮面の奥に隠された水品さんの深い悲しみ。その悲しみを少しずつ癒していくのは、彼女を大きく包み込むホイミのあたたかさ、そして彼女と共に前を向いて歩いて行こうする駒田の押し付けないやさしさと強さです。そして水品さんを見守ることで、ホイミや駒田にも救われる部分があるのです。
破天荒なキャラクターが登場するドタバタ物語思いきや、不用意に人を傷つける群集の心理や、日常から希望を見出すということ、生きていくということ、いろんな要素がギュッと詰まっています。
ネット上で拡散されるニュースや、誰かに起こった不幸な出来事に対して、嘲りや喜びの気持ちを向けていないか?自分自身に問いかけたくなるような、気持ちが引き締まる物語でした。
今月のレビュー結果
今月イラストレビューした本
25冊
ブログをはじめてからイラストレビューした本累計
707冊
読書人が集う『シミルボン』にて、インタビュー記事掲載!
https://shimirubon.jp/columns/1691046
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