35度を超えるような猛暑日が続いたり、はたまた
激しい雷雨があったりと、8月のお天気は厳しかったですね。
9月からは子供たちも通常モードがスタート。
自分も早起きして弁当作らねば!気合いを入れなおします。
皆さんにとってはどんな1か月でしたか?
今月、印象に残った一冊をご紹介します。
小川 糸さんの『にじいろガーデン』です。
もうすぐバツイチになる泉は、六歳の息子、草介と二人で暮らしていた。ある日、泉は女子高生の千代子が電車に飛び込もうとしていたところを引き止める。そこから二人の交流が始まり、特別な
感情を持つようになった二人は、草介とともに「かけおち」しようと決意。ほどなく千代子の妊娠も判明。田舎での、母二人、子供二人の生活が始まる。
レズビアンカップルの泉と千代子の出会いから、二人が恋人同士になり、泉の息子の草介と家族となり、さらに千代子が産んだ娘、宝を加えた家族を形成していく物語。章ごとに語り手が変わり、時も移り変わっていく構成。
第一章は、駆け落ちした先で始まる生活を泉目線で語り、第二章では、ゲストハウスを始める経緯を千代子目線で、第三章は
ハワイで結婚式を挙げ、家族で旅行を愉しむシーンを草介目線で、第四章はこれまでを振り返りながらこれからの家族を思う
シーンを宝目線で描きます。
離婚寸前で落ち込んでいた泉と、レズビアンであることを親に
カムアウトして拒否された事から自殺しようとしていた千代子。
極限状態で出会った二人は強く惹かれあいました。深く傷ついた二人だからこそ、相手を大切にしたいという気持ちが強かったの
だと思います。
駆け落ちしよう、などと衝動的に行動する部分もありますが、二人は自分の気持ちに正直に、声高に自分たちを主張することもなく、静かに、丁寧に、そして懸命に生きています。そんな彼女たちが始めたのはゲストハウス。
傷ついた人が羽を休めることが出来るような、そんなひと息つける場所を築きたい。そんな思いからでした。時には激しい喧嘩もする泉と千代子。しかし、互いへの思いが強ければこそ。子供たちも
そんな二人を見て、優しく、健やかに成長して生きます。
田舎の町で穏やかに幸せな時間が過ぎていきますが、泉が体調を崩したり、千代子の病気が明らかになったり、草介の仕事へのストレスが重なったり、宝が高校受験しなおすことを決意したりと、なかなかに波乱万丈です。
それでも彼らは家族として互いに相手を強く思い、大きく包み込むように愛している。充分にその愛を受けた彼らは、今度はゲスト
ハウスに訪れたお客たちにその愛を分け与えていきます。そんな彼らの思いが、行動から、言葉の端々からにじみ出るような、
やさしさと愛に満ちた「家族」の物語です。
今月のレビュー結果
今月イラストレビューした本
26冊
ブログをはじめてからイラストレビューした本累計
606冊
多くの読書人が集う『シミルボン』に、インタビュー記事を掲載
していただきました!自己紹介や本好きになったきっかけ、
書評作成時に心がけていることなどをお答えしています。
よろしかったら見にきてください
https://shimirubon.jp/columns/1691046
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やわらかくつながる。温かな絆を描いたストーリー(ノД`。)