2月は寒かったですねえ!

前回の冬はわりと暖かかった印象なので、余計に

つらかったような。2月が終わればもう春はすぐそこ!

ちょっぴりワクワクします。

 

皆さんにとってはどんな1か月でしたか?


今月、印象に残った一冊をご紹介します。

桐野 夏生さんの『奴隷小説』です。

 

奴隷小説 (文春文庫)

 

長老との結婚を拒んで舌を抜かれた女。武装集団によって
拉致された女子高生たち。夢の奴隷となったアイドル志望の

少女。人間社会に現出する抑圧と奴隷状態を描く短編集。

 

現実ではない、ファンタジーな世界観あり、どこか遠くの外国で
実際に起こったテロ事件を連想させる設定あり、過去や現代の
日本であったであろう設定があり。様々な状況の中で奴隷たち

が登場します。

 

武装集団によって拉致された女子高生たちは、壊れかけた

建物に閉じ込められています。周囲は水で囲まれ、船で出入り

するしかありません。逃げようとすれば直ちに射殺される状況の中で、まず名前を失い、番号で呼ばれます。そして、彼女らは自分たちの先行きを考えて絶望します。

 

粗末な食べ物を与えられ、彼女らを襲った人間たちがやってくると、ここから出られるのかもしれないという僅かな希望と、出た

ところで新しい絶望が待ち受けているだけだという思いで、だん

だんと思考が停止していきます。人格を無視され、満ち足りた

生活を奪われ、生きている事が精一杯という状況になると、自分には何かができる、今の苦境から脱出するのだ、という思考に

ならないのです。

 

様々なシチュエーションのお話が登場しますが、どれも状況に

縛られ、その場所から動けない、動こうとしない登場人物達の姿があります。与えられた世界しか知らず、また知ろうとしないために、訪れるのは閉じた未来。


愚かとも言えるその姿から感じるのは、現代社会においても、多くの人が何らかの縛りを受けており、絶望や諦めを感じながらも

そこから脱しようとしない、つまり奴隷的なものを持っていると

いう事です。

 

完全にあらゆる事から自由になる、ということは生きていく上では
不可能ですが、現状はいつでも変える事ができる、自分は変える能力を持っていると信じ、その能力を磨くために学び続ける事が必要なのだと教えてくれているようです。

 

今月のレビュー結果

今月イラストレビューした本
23冊

ブログをはじめてからイラストレビューした本累計
454冊

 

 

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