家電が次々と壊れていきます。
年内に食器洗浄機、洗濯乾燥機。
今度は何が壊れるかねえ?なんて話していたら
なんとガス給湯器が故障!!!
2日間お湯の出ない生活がこんなに大変だとは…
お湯のありがたみが身に沁みた出来事でした。
みなさんはどんな1週間を過ごされましたか?
今週、印象に残った一冊をご紹介します。
松田青子さんの『英子の森』です。
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英子の森 (河出文庫)
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「英語ができると後でいいことがある」。
幼いころから刷り込まれた言葉。英語は彼女を違う世界へ
連れて行ってくれる「魔法」のはずだった…。
母親と二人で「森」に住む英子。短期で派遣の仕事をしているが、
英語を使うことはほとんどない。留学も経験しているし、英語の
勉強も今でもしている。しかし、自分は本当に英語が「話せる」
のか。そして、本当に英語ができる人間は世の中に求められて
いるのだろうか?
母親や教師が言っていた「英語ができるといいことがある」というのは本当なのだろうか?何一ついいことなんてありはしないではないか。
英語を勉強している人には、グサリとくる言葉ではないでしょうか。
英語の勉強をし、スキルを増やしたけれど、回ってくる仕事は
会議の受付など。使う英語は、「お名前は?」「あちらです。」
「良い一日を。」程度。
これではTOEIC800点以上取っていても、全く意味がない。
このような、英子が派遣で与えられた仕事なども、実際にありそうな話です。
また、英語を子に勉強させる親の立場としても刺さるものが
あります。英子の母親は、死んだ父親の遺したお金で暮らしているため、働いていません。社会に対して楽観的であると同時に、
社会の象徴である死んだ夫に対して恨みを抱いています。
それは、自分も働いていけたはずなのに、夫の希望で専業主婦になって家に縛り付けられたためです。
この母娘は、自分の境遇を環境や、人のせいにしているところが
よく似ています。彼女らの置かれた状況は、決して恵まれたもの
ではありませんが、その場所にうずくまって、ブツブツと愚痴を
言っているだけのようにも見えます。
ファンタジーな要素を加えるのは、彼女らが住んでいる「森」。
まさに「森」の中に一軒家があり、どうやら低所得向けの物件の
ようです。派遣仲間の「森」に遊びに行っている様子からも
わかります。
しかし、「森」に住む人々が貧しい訳ではなくて、美しい自然に
囲まれ穏やかに暮らしているところにも考えされられます。
彼らは望んで「森」に住んでいるのです。彼らから漂うのは、
「ここが気に入っている」と言いながら、別の場所で暮らすことを
諦めた空気感。「森」は、出ようと思えばいつでも出られる場所
だけれども、頑張らないと難しいようです。
それは、彼ら自身の考え方にも繋がっていきます。今の仕事に
満足していないけれど、どうせ頑張っても無理だ、と思っている。
自分を取り巻く現状に絡み取られて、思考も動きも停止している
状態です。
その状況は英子に恋人ができたことで、少しずつ変化していき
ます。状況を変えるのは不可能ではないということ。足りないのはやろうという決意だけだということを理解した英子は行動を起こします。母親も凝り固まっていた考えが徐々に溶け始め、二人とも新たな道を進むことを決意します。
それを待っていたかのように、森も変化していきます。まるで
二人の意思が反映されているかのように。ファンタジーと、
現実的なお話が奇妙に混ざり合い、不思議と心に残る物語です。
短編集でありながら、象徴的な表現も多く、その展開や結末には
思わず唸ってしまいます。自分のいる世界が「森」になって
いないか?と、ふとあたりを見回してしまうような物語です。
先週立てたこの1週間の目標は
●1日1記事を更新する
●イラストに色をつける
でした。無事に達成することができました!
次の一週間も、同じように更新することを自分の目標にします。
〈今週 読了した本〉
『英子の森』
『死ぬまで歩くにはスクワットだけすればいい』
『うずら大名』
『今だけのあの子』
『書店主フィクリーのものがたり』
〈現在 読書中の本>
『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』
『服従』
〈今週購入した本〉
なし
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