突然涼しくなったように感じられるこの頃。

しかし、なんだかダラダラとすごしてしまい、

「はっ!!まだあれをやっていやかった!!」という事が

増えてきたような。これはいかんと思い、現在その状況を

立て直し中であります。

参考にした本があるのですが、そのご紹介はまた日を改めて。

 

みなさんはどんな1週間を過ごされましたか?

 

今週、印象に残った一冊をご紹介します。

志坂圭さんの『滔々と紅』です。

 

 

天保八年、飢饉の村から九歳の少女、駒乃が江戸吉原の

遊廓へと口入された。駒乃は吉原のしきたりに抗いながらも、

花魁として成長していく。

忘れられぬ客との出会い、訪れる悲劇。
吉原を生き抜いた彼女が最後に下す決断とは。

 

九歳で遊廓の世界へと足を踏み入れた駒乃。勝手に名前を
つけられたと言っては怒り、ありんす言葉が変だと嫌がる。
無力である少女ながら気が強くて跳ねっ返りです。
翡翠(かおとり)花魁のもとで吉原の世界を学んでいきます。

 

吉原における女の買いかた、遊廓で遊ぶ手順、花魁との

やりとり。これらが詳しく描かれていて、へえなるほどねえ、

と頷いてしまいます。

 

子どもの頃から吉原に入り、段階を経て花魁になる。
花魁になると駒乃のような少女、禿を数人抱えることとなり
彼女らの生活にかかる費用も花魁持ち。客が料金を踏み

倒せば花魁持ち。厳しい世界ですね。夜の銀座の世界に

通じるものがあるかも。

 

そして強烈なのが遣り手ばばあと呼ばれる、見世の一切合切

を取り仕切るマネージャーのような存在のお豊。
遊女に病人が出れば容赦なく追い出し、ケチれるところは

とことんケチり、遊女がやらかせば全力で折檻する。これは

ヤクザというのがぴったり。
それが、女が女に対してする仕打ちなものだからエグい。
物語の中でスパイス的存在となっていていい味出しています。

 

好きな男ができても一緒になる事も叶わず、病気になれば

追い出されなお一層立場を下げて生きていかなくてはならない。そんな自分の将来に絶望して自ら命を絶つ者も少なからず

います。


駒乃は飢饉の村から来たため、死は身近なものであり、

恐怖の対象ではありません。それでも目の前のことに怒り、

喜び、直感的に行動する駒乃は野生の、頭が良い動物

といった印象です。

 

その能力を活かしてどんどんと出世を重ね、若くして花魁へと

登りつめます。そこでも心を揺さぶる出来事が起こり、彼女を
ある行動へと掻き立てるのです。


一見生きることに執着のないように見える駒乃ですが、日々

目の前のことをこなし、しっかりと生きています。自分の将来に

期待もしていないが絶望もしていない。そんな軽やかな姿勢が、彼女に新しい未来を呼び込んだのかもしれません。

 

厳しい世界を生き抜いた女性の物語。したたかに、そして

いつでも自分というものをしっかりと持っている人間という

のは、どこででも生きていけるということを教えてくれるお話

です。

 

先週立てたこの1週間の目標は

●1日1記事を更新する

●イラストに色をつける

でした。無事に達成することができました!

次の一週間も、同じように更新することを自分の目標にします。

 


〈今週 読了した本〉

『「ダラダラ癖」から抜け出すための10の法則』

『あとかた』

『あずかりやさん』

『迫りくる自分』


〈現在 読書中の本>

『流』

『検察側の罪人』上

 

〈今週購入した本〉

なし