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「今日は来てくれてありがとう!!楽しんで行ってくれよ!!」

 

歓声が俺を包む。

 

俺は櫻井翔。アイドルだ。

 

…今日もいた…。

 

松「しょおくん!!頑張って!」

 

たくさんの女子の中に、1人の男。

まつ毛が地かと思うほどの長さで、美人の彼は、俺の幼なじみで俺のファン、松本潤。

年齢は俺の方が上だ。

 

♪。.:*・゜♪。.:*・゜♪。.:*・゜♪。.:*・゜

 

松「お疲れさま!今日もかっこよかったよ!しょおくんってすごいね!ファンたくさんいるし!」

 

「今日もありがとね、じゃ、乾杯!」

 

高級レストランでグラスを交わす。

潤は大企業の社長の息子だ。

だが、金持ちのイメージに反し、全く偉そうにしない。

むしろとてつもなく可愛くて、時折天使の笑顔を見せる。

 

俺はそんな潤に好意を抱いていた。

 

松「ん〜!美味しい〜!さっすがしょおくんの選んだお店!」

 

「喜んでくれて嬉しいよ、…あんまり飲まない方がいいと思うけど…。」

 

松「?ごめん、聞こえなかった…。」

 

「あっ、いや、何でもない!!」

 

それから2時間後、潤はベロベロに酔ってしまっていた。

 

松「う〜……眠いよぉ〜……帰ろぉ〜?」

 

ワインの入ったグラス片手にウトウトとし始める潤の顔は、赤く、完全に緩みきっていた。

飲まない方がいいって、ちゃんと言えば良かったな…

 

「送ってくよ。車は乗ってきてないし、飲んだから、歩きかタクシーだけど。」

 

松「しょ……の……きたい…。」

 

「…え?」

 

松「しょおくんの家に行きたい…。」

 

「…なんで?」

 

予想をこえた答えが返ってきた。

 

「……っとにかく!店出よう!代金俺払うから待ってて!!」

 

松「うん…。」

 

え?なんで俺の家に行きたいの?というか部屋めっちゃ汚いじゃん!やっぱ家に送ってった方が…。…っでも家に来てほしい…!!

悶々と悩みながら会計を済ます。

 

「払ってきたよ、さ、帰ろ?」

 

松「…ん。…おんぶ。」

 

「…おんぶ?」

 

松「立てない…。」

 

おんぶってマジかヤバい死にそう…!!

仕方なくおんぶして歩きで俺の家へ連れていった。家に着く頃には、潤はもうぐっすりと眠っていた。ベッドに寝させると、いつの間にかシャツのボタンが胸元が見える程に肌蹴ていた。

…暑くて開けたのかな…。

 

「…風邪ひくから…。」

 

ボタンを閉めようとシャツに手をかけると、

 

松「…んぅ…ぁ…。」

 

「……!?」

 

驚き手をひいた。

潤はこんな声も出すんだ…。

寝返りをうつと、余計に肌蹴、赤い尖りが見えるようになった。

 

「……っ。」

 

ゴクリと唾をのみこんだ。

胸に手をのばしそうになってしまった。

危ない危ない危ない!!!暴走するところだった!!

自分の欲を抑えながら、シャツのボタンを閉める。

 

「………ふぅ…。」

 

ベットに腰をかける。

俺らは男同士だから、告白しても断られてしまうんだろう。そんな気持ちが10何年も心にずっと留まっていた。

 

「…綺麗な顔…。」

 

寝ているから、キスしたってバレないよな……?

 

……ちゅ……

 

俺は潤に顔を近づけ、キスをした。

指を絡め、もう一度しようとしたら、

 

松「………!?しょおくん……!!??」

 

「………えっ!?」

 

起きた!!!なんて言い訳すればいいんだー!!!

 

「…っボタン閉めといたから…。」

 

松「えっえっえっ!?ほんとだ!…ありがとぉ……

。」

 

腰かけたまま、何とか会話を繋いでいく。

 

「…家に連絡しろよ?」

 

松「……うん……。…ね、しょおくん…。」

 

「…何?」

 

松「……………キス、した?」

 

バレてたあぁぁぁ!!!

知らないフリ知らないフリ…!!!

 

「…ん?何のこと?」

 

松「……さっき、キス……した……よね………?」

 

「……してないけど?」

 

松「……そう…?」

 

潤はそう言って指を絡ます。

 

松「……夢……だったのかな……。」

 

「酔い、冷めてないんだろ…?寝てな…?」

 

松「……ぅん……。」

 

部屋から出て、深呼吸をした。

 

「……はぁ…、危なかった……。」

 

 

ここで、この恋を終わらせるわけにはいかないからな…。