今日の仕事は、午前中でお終い。
家に帰って、軽くお昼寝して、オカリナの練習をしようと思っていた。
お昼ご飯を食べて、二時間ほど寝ようと床に入った……タイマーを掛け忘れ、今起きた……しかもあろうことか、今日は15日なのに、午前中に土地神様の神社に行くのを忘れてたし……17時が過ぎ、太陽が沈んだから、もう参拝は出来ないな……(ToT)失敗した……(∋_∈)
二時間の予定が四時間寝てしまった……。
その間に夢を見ていて、あまりの居心地の良さに現に帰ってくるのを、すっかり忘れてしまっていた……この場合は、現実逃避ともいうのかも……。別に、オカリナの練習がイヤなわけではないんだけどね(笑)?
私は夢の中で良く行く、野原にいた。季節がら、私の胸の位置ほどに伸びた、ススキに囲まれている。
空はよく晴れ、大きな満月が煌々とあたり一面を照らし、夜も更けた時間だというのに、明るかった。
すすきが風に揺られ、私の髪も風に揺られ……こんな無粋な姿は、誰にも見せられないなっと、独り呟いて笑った。
ただ風に吹かれているだけで、気持ちが安らいだ。感情や心の全てが、0にリセットされる……。
『こんな夜更けにこんな場所にいると、鬼に喰われてしまいますよ』
気配を感じさせず、その声は私に、不意に語りかけた。
独りで風に吹かれていたかった私は、その無粋な声にちょっと気分を害され、何も答えず、声のする方を見もしなかった。
月明かりが、正面に立つ声の主をゆっくりと照らし出す。近付いてくる者の姿を段々と明確に浮かび上がらせた。
声の主は男性……筋肉質の、体格の良い身体をしている。なかなかどうしてのイケメンでもある……額の両脇に、二本の角さえなかったら……。
『女が男装をしているのか?それとも……』
「私は、男だ!」
失礼なもの言いに、私は口を開いた。
鬼はひゅ~っと口笛を吹いた。
『あんた、肝が据わってんなぁ。俺を見ても顔色一つ変えないとはな……』
私はそのまま表情も声色も変えず、鬼を見ていた。
「鬼など……見慣れている。今更驚くものでもない」
鬼はまた、口笛を吹いた。
『お前……陰陽師か……』
私は答えなかった。
『俺さまを、調伏するか?』
私は一度瞬きをして、鬼に向き直った。
「私に何かしたのか?何もしていないなら、調伏する理由はない」
②へ……