きっと、誰に言っても信じてもらえるなんて思っていない
自分だって、初めは信じられなかったのだから
前世の記憶がある
俺は、前世はアイドルだった
それも『国民的』といっていいくらいの
今世は、『モデル』
前世みたいに『国民的』とはまではいかないが
それなりの『人気』があって
毎日、それなりに忙しい
記憶が戻ったというか
思い出したのは、とある雑誌の撮影中
前世で生まれたところには、海があって
その海を見渡せる場所にベンチがあり
そこに座った瞬間
一気に記憶が襲ってきた
「しょーちゃん……」
愛しいキミが綺麗な笑顔で
俺の隣で座っていたのだ