キミはママ 9 | 青いたんぽぽ

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腐なので、ご注意ください(笑)

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ひな祭りなので、しょーさんと空だけです
(いろいろ違う)

暇つぶしにどーぞ(「・ω・)「









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「これ、ままにあげるね」
 
 
にこにこしながら、空がカバンの中から大事そうに取り出してオレに差し出した
 
小さな両手で大事そうにそれを持ってる姿は相変わらず可愛いんだけど
 
 
「ありがとう。これ、空が作ったの?」
「うん!たいようせんせーとつくったの!」
「そっかぁ、上手だね」
 
 
たいようせんせーは、空の通っている青葉園の先生で
 
とても可愛らしい先生で、親の間でも人気があるんだけど、工作系が独特な感性の持ち主
 
人の事は言えないんだけど空もオレに似たのか、たいよう先生と同レベル
 
渡されたモノがいつも理解するまでにちょっと時間が掛かる
 
 
「空」
「なに?」
「今日は、何したの?」
 
 
コレが何なのか、下手に聞くと拗ねるから、とりあえず推測するしかない
 
 
「うーんとね…ままをつくったの!」
「ママ?」
「うん!これはね、かけなの!」
 
 
同じようなモノを差し出されて、若干戸惑う
 
白い紙コップに小さな黒い折り紙の欠片と金色の折り紙の欠片が貼ってあり、黒のペンで丸が書いてあって、赤いペンの線……
 
 
考えろ、オレ
 
 
引き攣った笑い顔をしながら、壁に掛かっているカレンダーに目が行く
 
 
ああ、そっか
 
 
「お雛様」
「そぉ!!だから、こっちがままでこれがかけ」
 
 
満面の笑みで2つを並べる
 
 
「おひめさまがままで、おうじさまがかけ」
「空が王子様なの?」
「うん!かけはね、おおきくなったらままとけっこんするの」
「そうか」
「うん!でもね…」
 
 
空はちょっと困ったような顔になり、オレを真っ直ぐ見る
 
 
「ん?どうしたの?」
 
 
心配になって手にしてたお雛様をテーブルに置き、空を抱っこしてソファに座らせる
隣に座って空の髪を撫でながら聞けば
 
 
「ひーくんいるでしょ」
 
『ひーくん』とは山本光っていう、同じ青葉園に通ってる空よりも一つ上のイケメンの男の子
いつも一緒に空と遊んでくれて、いい子だなって思ってた
 
 
「ひーくんがどうしたの?」
「ひーくんがね、かけはおひめさまだっていうの」
「は?」
「かけがおひめさまで、ひーくんはおうじさまっていうの」
 
 
…なんか、雲行きが怪しくなってきたぞ
 
 
「…で、どうしたの?」
「おひめさまはままだから、かけはおうじさまっていったのにちがうっていうの」
「うん…」
「ままはぱぱとけっこんしてるからできないって。だから、かけはひーくんとけっこんするって」
 
 
ああもう…これはそういうことなんだ
 
ちょっと頭を抱えながら
 
 
「ひーくんに何かされたの?」
「うん」
「何?」
 
「ここにちゅーされた」
 
 
そらは自分の頬を指して言うから、完全に頭を抱えるしかない
ちょっと…いや、だいぶ流れ的にそんな感じかなって思ってたけど、ひーくんの行動に動揺は隠せない
 
 
「まま?」
「子供のくせに」
「え?」
「まだ、早いっての」
「なにが?」
「いや、なんでもないよ」
 
オレは空を抱きしめると
 
 
「空は、ひーくんのこと嫌い?」
「きらいじゃないよ」
「ちゅーされて嫌だった?」
「ううん。いつもするもん」
「は?!」
「ひーくん、いっつもかけにかわいいっていってするの」
「マジか…」
「まま?」
 
 
ああ…これはもう、相葉くんが荒れるなって目に見えるから
 
 
「空」
「なに?」
「このことは、パパには言っちゃだめだよ」
「なんで?」
「ママからお話するから。それまでは、ママと空の秘密ね」
 
 
空にそう言って小指を指し出せば、空はうんって言って小指を絡ませた
 
 
「じゃ、お雛様にあげるアラレを買いに行こうか」
「うん!」
 
 
笑顔の空を見ながら、さてどう相葉くんに話そうかと頭の中がいっぱいになった
 
 
 
 
 
 
 
 
 
オレからその話を聞いて相葉くんがどうなったかは、またいつかw