日曜日の午後 4 | 青いたんぽぽ

青いたんぽぽ

ぽそぽそと書いてます…
腐なので、ご注意ください(笑)

常に雑食←





 

 

 

 

 

相葉くんにエスコートされながら入った店は、さっきの居酒屋とは全然違って

 

 

「お洒落なとこだな」

 

 

思わずそう言ってしまうほど、女の子とデート出来るような場所

 

こんなとこにオレと来たいなんてなんでそんなことを思ったのか

 

そう思いながら相葉くんを見れば

 

 

「コート、掛けてもらいましょうか」

 

 

なんて、やっぱり女の子を扱うようにオレにしてくる

 

 

「ああ」

 

 

これも相葉くんの普通の行動なんだ

 

そう自分に言い聞かせて、コートと借りていたマフラーを取り、店のスタッフに渡した

 

 

予約でもしていたのか、すぐにテーブル席に案内され、椅子まで引かれて座る

 

オレと向かい合う形で相葉くんが座ると

 

 

「お願いします」

 

 

相葉くんはそうスタッフに言うとスタッフは頷いて奥に歩いて行った

 

 

「予約してたの?」

 

 

入ってきてからの疑問を相葉くんに言えば、相葉くんはふふと笑って

 

 

「はい。ここ、予約しないと入れないんですよ」

 

「え?」

 

「正直に言えば、今日、櫻井さんと居たかったんです」

 

「は?」

 

 

相葉くんはそう言うと笑顔のまま、それ以上何も言わない

 

 

「え?なんで?」

 

 

驚いてそう聞いていると

 

 

「失礼します」

 

 

上の方から声がして、さっきのスタッフが見た目にもおいしそうな料理を運んできた

 

何品かテーブルの上に置いて、グラスも置く

 

 

「1982年ものです」

 

 

スタッフは優しく微笑んで、グラスに紅い液体を注いだ

 

ますます驚いて相葉くんの方を見れば、やっぱり優しい笑顔してオレを見つめてる

 

2つのグラスに紅い液体を注いだスタッフは会釈をしてその場を離れた

 

 

「ここに誘った意味、分かりました?」

 

「は?」

 

 

相葉くんはグラスを手に取ると

 

 

「一日早いですけど、お誕生日おめでとうございます」

 

 

そう言われて、初めて明日が自分の誕生日だということを思い出した

 

 

「あっそうだ」

 

「櫻井さん、いつも忙しいし。自分の誕生日も忘れてるんじゃないかって」

 

「えっでも。なんで、相葉くんがオレの誕生日知ってんの?」

 

 

会社のデスクが隣

 

でも、自分のプライベートなんて話すような仲でもない

 

相葉くんにどんな友達がいて、休みにどんなことをしているのかすら知らないし

 

彼女がいるのかどうかも分からない

 

それはオレも同じだって思ってた

 

 

「そんなの調べれば簡単ですよ。同じ会社で隣にいるんですから」

 

「そうだけど…でも、隣だからって誕生日を祝ってあげようなんて思う?オレ、相葉くんの誕生日知らないよ?」

 

「俺は先月」

 

「は?」

 

「クリスマスイブなんですよ」

 

「そうなの!それならオレより相葉くんの方を祝ってあげないと」

 

「俺はいいんです」

 

「そんなことない。じゃさ、今日はオレが相葉くんを祝ってやるよ」

 

「それじゃ、ここに俺が櫻井さんを誘った意味ないじゃないですか」

 

「じゃ、こうしよう。オレが相葉くんを。相葉くんはオレを祝えばいいんじゃね?」

 

 

相葉くんは可笑しそうに笑って

 

 

「そういうとこがいいですよね」

 

「ん?何が?」

 

「いえ、こっちの話です。乾杯しますか、お互いの誕生日に」

 

「ああ」

 

 

オレは自分の方のグラスを手にして

 

 

「相葉くん、遅くなったけど、お誕生日おめでとう」

 

「櫻井さんも、おめでとうございます」

 

 

お互い笑いながら、グラスを合わせた

 

 

 

 

 

 





…日にちは気にしないww