今度は、俺から 15 | 青いたんぽぽ

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ぽそぽそと書いてます…
腐なので、ご注意ください(笑)

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楽しいのが書きたい←自分のせい
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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あの日から、ずっと忙しくて。
まともに休む暇もなくて。
それでもなんとか時間を作って、俺はニノに会うことにした。
 
ニノも映画の仕事が入ってるから、俺と同じように休む暇はなかったんだけど。
 
 
しょーちゃんのことで話がしたい
 
 
そう連絡をしたら、時間を作ると言ってくれた。
 
 
 
 
 
 
 
数日後、ニノから連絡が来た。
 
うちで話そう
誰にも邪魔されたくないから
 
ニノは静かに俺に言い、俺も頷いた。
 
 
ニノの部屋の前で深呼吸をして、インターホンを押す。
ガチャリと鍵の音がして、ドアが開く。
 
「入れば?」
 
少し疲れた表情のニノが俺を見て、すぐに部屋の中に戻る。
 
「うん、ありがとう」
 
俺はそう言って、ニノの後に続いて中に入った。
 
 
「相葉さんは、明日は?」
 
ニノが床に座りながら聞いてきた。
 
「昼から」
「そ。俺は夕方。じゃ、飲めるね」
 
ニノはすぐに立ち上がり、キッチンに向かう。
 
「適当に座ってて。ビールでいい?」
 
冷蔵庫を開けながら聞いてきたから、俺は、うんと言ってニノと同じように床に座る。
 
「何にも、つまめるもん無いな」
「あっそれなら、ビスケットがあるけど」
「好きだよね、相葉さん」
 
ニノは笑いながら、両手にビールの缶を持って俺の向かいに座る。
 
「いいだろ、俺、好きなんだから」
 
バックからビスケットの箱を出し、テーブルの上に置く。
ニノは、俺にビールを渡すと、その箱を開けた。
 
「こんなのつまみになんの?」
「なるよー」
「そう?」
 
そう言いながら2人ともプルタブを開け、お疲れと言って缶を合わせた。
 
 
こんな風に向かい合うのはいつぶりだろう?
そんなに時は経ってないはずなのに
 
 
 
何本か2人で開け、いい感じになってきてもいいはずなのに、お互い全然酔えなくて。
仕事のことや友達のことなんか話してても、お互いが頭の中に入ってない。
 
ふと部屋の隅の目をやれば、難しいそうな本や新聞の山が見えた。
 
前はそんなものは、ニノの部屋にはなくて。
ゲーム関係の雑誌や本があるくらいだったのに。
 
「翔ちゃんのだよ」
 
俺の思ってるのが分かったのか、ニノは普通の表情で言った。
 
「え?」
「だって、俺ら付き合ってるんだよ?翔ちゃんのがあってもおかしくないでしょ」
「そ…そうだね…」
「今はお互い忙しいから来ないけど、落ち着いたらまた来るし。あっそうだ。翔ちゃんのシャンプーが無くなりそうなんだっけ。買っておかなきゃ」
 
ニノは残ってるビールを一気に飲み干すと、立ち上がって冷蔵庫に向かう。
 
「相葉さんもまだ飲むでしょ?」
「うん」
 
俺は半分残っているビールを一気に飲み干すと、持っていた缶をぐしゃりと潰した。
ニノはそんな俺を見て見ぬふりをして、俺の前に缶を置いた。
 
「酔えないね」
 
ニノは新しい缶のプルタブを開け、一口飲んでそう言った。
 
「相葉さんもでしょ」
 
少し…いや。真っ直ぐ俺の方を射抜くように見つめ。
 
「俺、翔ちゃんと寝たから」
 
その言葉に俺は俯き、両手をぐっと握る。
 
「お互い、大人だからね。それくらいの付き合い方してもおかしくないでしょ。好きな人が部屋に泊まれば、そういう関係になる。キスだけで止めれないよ。翔ちゃん、可愛いし綺麗だし。あの時の翔ちゃんはすごく艶っぽくて…」
「……ろ」
「え?」
「止めろ。聞きたくない」
「聞きたいでしょ?それを聞きに来たんじゃ…」
「違う!」
 
俯いてた顔を上げ、ニノの顔を見た。
ニノは表情を変えない。
 
「相葉さんは、翔ちゃんのことなんとも思ってないんでしょ?だから、翔ちゃんの気持ちに応えられなかったんでしょ?だったらもう、翔ちゃんに何も言わないで。何もしないでよ!」
 
「ごめん…ごめん、ニノ」
 
「何が?何を謝ってるの?」
 
 
 
俺、しょーちゃんが好きだ
 
 
 
 
 
 
つづく